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GSセンター 3年目の挑戦

2017年に開設したGSセンター(ジェンダー・セクシュアリティセンター)はこの4月で3年目に突入しました。研究センターではない学生支援専門の大学部署として日本では先進的な事例であり、参照例が少ない中でこれまで模索しながらも、徐々に活動の範囲を広げて来ました。課題は挙げていけばキリがありませんが、それでも徐々に、しかし確実に学内での認知度は高まってきたと語る専門職員の渡邉歩さんにGSセンターの今後の展望について話を聞きました。

GSセンター専門職員 渡邉 歩

――開設から3年目を迎え、現在のGSセンターはどのような状況ですか
2019年度は6月末日時点で延べ来室者数は約600人、これは開始2カ月で驚異的な人数だと思います。3年目の特徴としては割と早い段階から1年生の来室が多く、それも既にある程度の知識・関心を持って来室する学生が増えて来ていることです。昨年まではGSセンターの扉を初めて開けるときは、心理的なハードルを感じている人も多かった印象です。それが2年かけて、イベントなどを通じてGSセンターのことを知ってもらう取り組みの積み重ねが、ようやく実を結んできたということかなと考えています。そうした学生が来てくれることは、ジェンダー・セクシュアリティのことについてもっと知ってほしいと思って働いている身として、自分のやっていることが決して無駄ではないことを感じさせてくれ、とても有難いと感じています。

2017年度(左)と2018年度(右)の利用者推移比較。延べ人数にして利用者は約400人以上も増加した

同様の気持ちは教職員との間でも感じていて、1年目は同じ大学内の部署にもかかわらず「GSセンターって何ですか」というくらいの認知度でしたが、地道な活動の積み重ねから、GSセンターの存在や、取り組んでいることの意味も少しずつ浸透していっているのを肌で感じています。センターに寄せられた相談への対応には、関連箇所の理解が不可欠なため、GSセンターがハブの役割を担いながら1件1件問題の可視化を行って来ました。その成果と言ってもいいのが「セクシュアルマイノリティ学生のためのサポートガイド」です。今年の3月にガイドの「第2版」が出たのですが、「第1版」は主に大学内の既存の制度のことに終始したのに対し、「第2版」はレジデンスセンターや教職支援センターなどの他箇所と連帯したからこそ書ける、細やかなサポートについて書かれたガイドになっています。

3年目に入って2カ月で既にさまざまな相談がありましたが、すぐに対応できたのは、2年目までに培った連帯があったからこそだと感じています。センターの存在を広報して、啓発イベントを行って、来てくれた学生がGSセンターのことを信頼してくれたことが相談に繋がり、相談してくれて問題が可視化されたことで、関連部署職員との連携スキームができてきた。もっと言えばこうした連帯が生まれたのは、勇気を出して相談してくれた学生がいたからこそのものなので、全てがつながっていたのだなと改めて感じています。その循環の中でGSセンターが自体が成長出来ている、といういい流れができ始めています。

GSセンターの開設前は、ジェンダー・セクシュアリティに関する学生の困り事に対し、理解を欠く教職員が多かったことは残念な事実ですが、学生のために力になりたいと考えていた教職員もきっといたはずなんです。窓口で具体的な相談を受けたときに、「うちに前例はないから」と断ることは簡単ですが、何かしてあげたいと思っても、この気持ちを他の人が理解してくれるか分からないし、自分自身も知識があるわけではないことでうまく説明もできず、すごく腐心したり悩んだりした教職員も多かったのではないかと思います。それがGSセンターができたことで、それまで個々人の裁量で対応していたことについても、GSセンターに相談することができ、教職員にとってもより動きやすくなったのかなと考えています。

最近では、「GSセンターがあって安心します」、「分からないことを教えてもらって助かります」と言っていただけたり、「こういった事例があった時にどうすれば良いか」と積極的に聞いてくれる教職員の方も出て来て、早大生のことを考える同じ職員として、とても心強く感じています。かつて自分が学生だった頃には教職員なんか全く信頼していなかったですが(笑)、同じ立場に立つといろいろと悩んでくれてるオトナもいたんだと、今になって初めて気付かされています。

――GSセンターの今後の展望を教えてください。
今後はこれまで以上に相談が顕在化し、学内連携が増えていくと思います。連携先が増えることで、顔の見える関係性の中だけで全てを進めることが難しくなる日もそう遠くはないかもしれません。お互いの要求に対して顔が見えないことは、認識のずれを生みやすいことにもつながります。そこで必要になってくるのは各人が培ってきた経験則ではなく、「正しい知識」を共有していることがより一層大事であると思います。人や部署による差の少ない基本的な知識を前提にできれば、連携が生み出すパフォーマンスの質も自ずと高まってくるのだと思います。最終的にはGSセンターに逐一相談せずとも、一定のクオリティを持った対応ができる職員を今後増やすためにも、3年目のタイミングでの学内研修が必要だと考えます。

2018年11月10日に実施したイベント【『あなたの「好き」と、私の「好き」、どう違う?』アセクシュアルの視点から考える人間関係】の様子

同時にイベントにも同じくらい重きを置いています。イベントを行うにあたって大事にしていることは、GSセンターは「LGBTセンター」ではないということです。もう既に早稲田の学生・教職員の多くの人は「LGBT」という言葉は知っていて、「セクシュアルマイノリティを理解してあげよう」「LGBTについて知ろう」という段階にはないと感じています。「LGBT」と「そうではない人」という対立ではなく、どちらにも関係している入口を用意することでみんなに知ってほしいという考えがあります。例えば、以前行った「アセクシュアル」を取り上げたイベントでは、「好き」ということを通して恋愛や性愛について考えると、異性愛も同性愛も無性愛も、「好き」の違いでしかなくなります。同じ「好き」という大きな入口から入って、例えば恋愛について気になったから参加したという人も、イベントに参加したことで、「アセクシュアル」というセクシュアリティについて1つ知識を得られるし、「好き」や「付き合う」という、人と人との関係性について改めて考え直すきっかけになるようなイベント構成にしています。

2019年6月15日に開催したイベントポスター

つい先日に実施したDSDs(性分化疾患)を扱うイベントも、女性/男性に対するボディイメージや「こうあるべき」という考えなど、マイノリティであるかどうかは関係なく、人間の体を持っているみんなが直面することで、そのことについて、自分に引きつけて考えてもらえるイベントにしています。「入口は広くキャッチーに。でも何か一つ学んで、自分で考えられる種を持ち帰ってもらうイベント」がモットーですので、ぜひ今後のイベントも皆さんに足を運んでいただきたいです。

 

 

早稲田大学GSセンターは、早稲田大学のセクシュアルマイノリティ学生およびその支援者のホームグラウンドであるとともに、ジェンダー・セクシュアリティに関心のある全ての人々が自由に利用できるフリースペースです。

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