Center for International Education早稲田大学 留学センター

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第4回Go Global Japan Expo 2016を早稲田大学で開催しました

 2016年11月23日(水・祝)に、早稲田大学国際会議場にて第4回Go Global Japan Expoが開催されました。本Expoは、文部科学省の「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」事業の一環として、大学進学やその先にある留学の機会を高校生、保護者、教育関係者など、広く社会に知ってもらう目的で開催されました。当日は「グローバル人材育成フォーラム」も同時に開催され、延べ705名の方々に来場していただきました。

オープニング

~文部科学省 松野博一大臣より動画メッセージ~
文部科学省として世界に活躍できるグローバル人材育成の取り組みを支援していくことや、その一環の「トビタテ!留学JAPAN」奨学金の紹介がありました。

~開催校 早稲田大学 森田典正 国際担当理事より~
10年後・20年後の複雑に変化していく社会では、世界との結びつきがさらに重要になることが予測され、そのような状況の中で、本イベントが若い方々の進路を決めるための世界地図となるよう願っているとのことが述べられました。

~文部科学省 高等教育局 高等教育企画課長 塩見みづ枝様より~DSC1516-shio
世界のグローバル化の流れは激しく、日本も大きく変わってきていると同時に、諸外国と相互の関係が緊密化し、世界が手を携えて向うべき課題が多くなっている現状が語られました。今後、異なる文化背景を持つ人と協働する場面が増えるため、留学を通じて一人でも多くの学生が、課題解決能力や自国への理解などが必要なスキルや自分磨きの機会を得てほしいと話されました。例えば、文部科学省では「トビタテ!留学JAPAN」のような奨学金などを通じて、高校生、大学生の留学を応援しているとのことです。Expoが将来へのヒントを得たり、世界をフィールドとして自分の人生を挑戦して切り開くみなさんの力になることを願っていると締めくくられました。

基調講演

~早稲田大学 政治経済学部在学・日本人最年少7大陸最高峰制覇者 南谷真鈴さんより~
日本人最年少で7大陸最高峰を制覇した、本学の学生の南谷真鈴さんより、「成長は挑戦から」という題で、講演を行っていただきました。生い立ちから、山に興味を持ち7大陸最高峰に挑戦することに至った経緯や、山にチャレンジすることから得た経験をお話していただきました。

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南谷真鈴さんは日本で生まれた後、ご家族のお仕事の都合で幼少時代をマレーシア、上海、大連など転々とされました。海外の生活は、教育・文化ともに日本とは大きく異なり、日本人としてのアイデンティティがあいまいだったとのことでした。しかし、中学生の時に日本に帰国し、日本人でありながらまるで「初めての留学」のような気持ちで、自分は何者なのかという疑問と初めて対峙することになったそうです。香港ではBritish School、大連ではCanadian School、上海ではAmerican Schoolに通っていたので、国によって歴史の授業でも観点が全く異なっていました。異なるバックグラウンドの生徒と学びの場を共有し、違う教育と触れ合うことが、南谷さんの今後にも大きな影響を残しました。

その後再度、香港に住むことになり、13歳の時に学校の行事で登山をしたのが、初めての山との出会いでした。その後、14歳で香港の山々を制覇。香港での生活はコンクリートジャングル、学校の中も完全なPC社会で、休み時間も友達同士でビデオチャットするような環境で、山を通じて自然と触れ合うことが当時の南谷さんにはとても新鮮なことだったそうです。またその頃、学校のイベント運営でPRや資金集めを経験しました。この時のスキルが、今の南谷さんにも役立っているとのことです。

高校3年の時に再び両親の都合で日本へ帰国し、海外の大学ではなく日本の大学に進学することに決めました。世界を転々とした後に、日本に戻ってきたことで、「個人」としてのアイデンティティを確立させたいと強く願うようになり、自分の成長の場所として「7大陸最高峰登頂プロジェクト」を立ち上げました。学校が終わると、スポンサー探しで一日100社以上にコンタクトを取るなど、ここでも海外で経験してきたことが役立ちました。とうとう資金を集めることに成功し、17歳で南米最高峰のアコンカグアに登頂。その時女性は一人で、かつ最年少での挑戦でしたが、大きな成長につながりました。

高校を無事に卒業し、順調にプロジェクトを進めているかに思われましたが、挫折も経験しました。長野県の山で250mの滑落を経験し、恐怖も覚えましたが、夢をあきらめず7大陸最高峰登頂を目指し地道なトレーニングを続けました。

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キリマンジャロ(アフリカ大陸最高峰)、モンブラン(ヨーロッパアルプス最高峰)、マナスル(ヒマラヤ最高峰)を制覇しました。また、オーストラリア大陸最高峰のコジオスコは最年少登頂の記録を樹立し、南極大陸最高峰のヴィンソン・マシフにも登頂しました。南極の風景は360度青と白の世界で別世界、他では会えないような様々な人たちに出会い、新たな学びがあり切磋琢磨できる環境でした。その後、カルステンツ・ピラミッドに挑戦。岩山のため、ロープを使って、岩と岩の間を移動したり、非常に根性と勇気を試される登山となりました。無心で登頂した結果、12時間で登頂することができ、なんと最速登頂記録を達成することができました。そして、エベレスト登頂前の山として、ロシアの冬山・エルブルースに登頂しました。エベレストの前のトレーニングのような気持ちで上った山でしたが、氷でツルツルの斜面で、加えて予期せぬ悪天候に見舞われました。強風による悪天候で進むことができず、ロシアから日本に帰国する日にようやく天候が改善したため、夜中の12時にアタックを開始。朝9時に登頂に成功し、昼の12時に小屋に戻り、夜7時のフライトで日本に帰国するという超ハードスケジュールでした。そして、その2日後にエベレストに出発です。エベレストは14人のチームでしたが、南谷さん以外でいた唯一の女性は撤退してしまい、男性だけのパーティで頑張ったそうです。エベレストの登頂にとうとう成功し、山頂の美しい景色を見たときは涙がとまらず、13歳から自問自答していた自分は何者なのか、どのように生きて行けば良いのかというもやもやが解消されていました。また強い精神力も培うことができました。そして最後の最高峰、北米のデナリに挑戦しました。ここでもアクシデントに見舞われ、風速200km以上の嵐で、山頂間近でベースキャンプに戻ることになってしまいました。皆、戦意喪失してしまい撤退を決めましたが、南谷さんだけは諦めることができず、「帰ったら負け」と奮い立ちレンジャーと共に4日間で登頂に成功することができました。

講演の最後に、ご自身の海外経験を踏まえ、海外で学ぶことの大切さを3点挙げてくれました。

★自国を知る:日本の良い点、悪い点が客観的に学べる。
自己のアイデンティティを確立し、世界でどのような立場で活躍できるか視野を広く考える人に成長できる。

★異に触れる:生活する場は日本だけではない!
自分を輝かせるステージは他にも多くあることを知ることができる。

★ブレない人へと成長する:自己を確立して、ステージが世界でも通用するグローバル人材。
活躍する場がどこであっても、通用するぶれない人、グローバル人材に成長するきっかけとなる。

最後に、「留学」とは「挑戦」で成長や学びの絶好の機会となるので、是非、留学ということに挑戦してみてほしいというメッセージをいただきました。

南谷さんの挑戦は、7大陸最高峰登頂ということだけを聞くと、途方もない挑戦に聞こえますが、その陰には地道な努力があり、皆さんにもぜひ積極的に色々なことに挑戦してほしい、それを通じて人は大きく成長し学ぶことができるという勇気ややる気をもらえる講演でした。

相談ブース・プレゼンテーション

大学や企業・団体による相談ブースを設けたり、プレゼンテーションも行われました。相談ブースでは、進学や留学に関する質問を熱心にされている高校生・保護者の方が多くいらっしゃいました。大学の担当者から直接カリキュラムや留学制度に関する説明を受けられる良い機会となったようです。資料コーナーも設置され、「色々な大学の情報を一度に効率よく収集でき、とても有意義なイベントであった」との声も伺うことができました。

相談ブース 資料コーナー

12月11日(日)には東北大学、鳥取大学、北九州市立大学でもそれぞれの特色を生かしたGo Global Japan Expoが行われる予定で、これを持って文部科学省「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」事業の締めくくりとなります。

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