留学体験談 / Testimonial
Q.留学を通じて得た成果を教えてください
海外の大学で授業を受け、他の学生と交流を持ったことで、逆説的ですが自分が日本について全然知らない or 知った気になっていたということを痛感しました。外国の大学に通っていると、自分が想像していた以上に、今の日本の大学事情や政治事情について尋ねられる機会が多いです。しかしその度に、自分が考えていることが何となく漠然と共有された共通感覚に従っているだけだったり、あるいはその問題について正確な知識を持ち合わせていなかったことに気づくことが多々ありました。単に外国語が出来ないから上手くコミュニケーション取れないのではなく、そもそも自分がその問題に関して十分に向き合っていなかった――こうしたことに否が応でも気づかされる経験を重ねるうちに、自分の専門分野の研究に限らず、勉強の仕方や物の考え方そのものが質的に大きく変化したと、今では感じています。現地でしか見聞き出来ないモノや人、考え方に触れるという経験はもちろん留学の意義であると思いますが、自分にとって決定的に大きかったのは、むしろ日本の外から日本について考えることを通じて、自分の勉強の在り方そのものといっそう向き合うようになったことだったように感じます。