マーケティング×データサイエンス
商学部3年 田中孝典さん
ビジネスで視野を広げるべく、商学部を選択
私が商学部を志望したのは、ビジネスを通じて世界への視野を広げ、理解を深めたいと思ったからです。きっかけは高校時代の地理でした。今の世の中がどういう仕組みで動いているのか、各国の人口や社会システム、時にはコンビニの仕組みといったテーマを勉強するうちに、世界全体に興味を持つようになりました。
現在は商学部のマーケティング・国際ビジネストラックコースに所属しています。また、商学部のGMP(Global Management Program)にも参加しています。これは、国際的なビジネスリーダーを目標に、商学部のあらゆる科目を英語で勉強しようというプログラムです。
昼食は早稲田周辺でとることが多いという田中さん
文系でも理解できる、AIの基礎概念
データ科学については、高校生の時から学びたいと思っていて、学部1年生の春学期に必修科目「統計リテラシーα・β」や商学部の「基礎統計学」を履修し、統計に興味を持ったので更に「Rによる統計解析」を履修しました。学んで得たスキルを将来の仕事に生かしたいですし、データ科学は認定制度により学んだ証が形に残ることも魅力です。現在、データ科学認定制度のリテラシー級、初級、中級を取得し、来年度は上級を取得していきたいと思います。
履修科目の中でも、2年生で受講した「回帰と分類のデータ科学」は印象に残っています。回帰分析や分類といった、統計学の精度をより高める手法について学べる授業なのですが、最近のAI技術に関連した理論が出てきて、例えば「ディープラーニング」や「集団学習」といった、それまで耳にした程度だった言葉を初めて理解できました。
受講する前は、文系には情報科学技術や AI は関係ないものだと思っていましたが、実際に受けてみると、そうした技術を使うためにはマーケティングなどの専門知識が必要だと実感できました。私たちのような文系学生でも技術や AI を使いこなすことができると感じ、とても面白かったです。
また「データ科学実践」という授業では、実際にデータを分析して、それをレポートとして提出します。ここで初めてデータ分析について「こういうことなんだ」と実践的に理解ができ、今後も実践してみたいと思いました。
少し苦労したのは、周りにデータ科学に興味を持っている友人が少ないことです。データ科学科目で初めて触れたプログラミングソフトの使い方や、データ科学のちょっとした疑問が生じたときに、気軽に聞ける人がいませんでした。結局かなり時間をかけて自分で解決したのですが、Math & Stat CenterのLA(ラーニングアシスタント)をやっている今は、「そういう時はLAに相談しなさい」と言いたいですね(笑)。
データ科学センターの窓口。職員との相談が可能
直感的に理論を把握できるのが、データ科学センターの魅力
ゼミでは、統計的な分析手法を用いてマーケティングについて研究しています。具体的にはアンケート調査をして、データを収集して、それを統計的に分析します。CSRや広告など、マーケティングに関わることなら広く研究することが可能です。
現在は、「広告における絵文字使用の有無が消費者の購買行動にどのような影響を与えるか」というプロジェクトに携わっています。こういった課題に対する基本的な理論はマーケティング独自のものですが、実際に分析する際にデータ科学が必要になります。
ゼミの会話は全て英語です。実は高校生の時からあまり英語が得意ではないのですが、もともとデータ科学を学んできたからこそ、英会話の内容が理解できるので、先に学んでおいて良かったと思います。マーケティングで国際的に活躍するために英語は必須ですが、統計の知識も理解した上での英語力が重要だと考えています。
夏休みには、データ科学センターで実施した長期インターンシップに参加しました。インターンシップ先の企業では、実際に企業が顧客に向けて提供しているプラットフォームサービスについて、データに基づき顧客の属性と傾向を分析し、その結果を元に、サービスの継続使用率向上につながる提案を行いました。
日本電気株式会社 デジタルビジネスプラットフォームユニットでのインターンシップ
ペット関連のサービス事業に参加した
自分の主専攻であるマーケティングとデータ科学を組み合わせてインターンを行えたことは、大きな自信になりました。今後、社会人になってから、マーケティングとデータサイエンスの知識をさらに他の分野に応用することで、新たな価値が生み出せるのではないかと考えています。早稲田大学は全学オープン科目として全ての学部でデータ科学の科目群を受講できますが、このような環境は、私だけではなく他の分野においても、相乗効果をもたらすのではないでしょうか。
近年、高校では情報が必修科目になり、数学でもデータ分析についてのカリキュラムが増え、プログラミングの学習も始まっています。高校生にとっても、データ科学の重要性について実感する機会が増えていると思います。
私がLA の活動を通じて感じたことは、多くの学生にとって、データ科学は難しいものだと捉えられがちだということです。ですが早稲田のデータ科学科目は誰でも学べるように、できるだけ直感的に理論を学べるような仕組みになっています。数学に苦手意識がある人でも学びやすい環境になっているので、もし少しでも興味があるのであれば、ぜひチャレンジしてほしいと思います。