School of Social Sciences早稲田大学 社会科学部

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【社会科学部報No.52掲載】「和」を、奏でる

【社会科学部報No.52掲載】「和」を、奏でる

4年 田中 瑛莉奈さん

activity16-1

Profile
田中 瑛莉奈(たなか えりな)
東京女子学園出身
片岡ゼミ所属

早稲田大学交響楽団(通称ワセオケ)*所属。オーケストラの中で演奏をまとめあげるコンサートマスターを務める。バイオリンの主席奏者でもある彼女の役割は、指揮者の意思をみなに伝えることだ。ワセオケは3年に1度、ヨーロッパ数カ国を周る海外公演を行っている。

Q. ワセオケが普段行っている活動は?
A. 一年間を通して、5、6回の演奏会、大学公式行事での演奏が主な活動です。4月の入学式、ウェルカムパーティー、卒業式…。ワセオケは人数も多く、続けるのも難しいと思われるようですが、いままで楽器を習っていた人だけでなく、初心者の人も多くいます。テレビ出演や雑誌で取り上げていただくこともありますし、活動は幅広いです。2007年の早稲田大学創立125周年記念のときに、大学の4合唱団と共にベートーベンの第九を演奏したことも心に残っています。

演奏会にて花束を受け取る田中さん

演奏会にて花束を受け取る田中さん

Q. サークルに入ったきっかけは?
A. 早稲田に入学する前から、母がワセオケを知っていて、入学したら入りたいなと思っていました。高校生の頃にソロでバイオリンを弾いていたのですが、部には入っていなくて。バイオリンは母、姉と一緒に小さいころに始めました。結局、今でも続けているのは私だけですが(笑)

activity16-3Q. 早稲田大学交響楽団は、とても伝統があるサークルですね。
A. はい、入る前は、実はここまでとは知りませんでした。海外ツアーも歴史がありますし、公演をするホールの予約やスケジュールは3年前に、先輩方がやってくれているんです。私たちは今度3年後の演奏会の準備をする、という風に受け継がれていくのです。

Q. 今年(2009年)は、その、海外公演を行う年ですね。(インタビュー時は1月末)
A. はい、2月中旬から3月中旬の1か月間、ドイツ、オーストリア、フランスの3カ国11都市の主要コンサートホールで公演します。ワセオケは過去に16カ国70以上の都市を周っています。初回は東京芸術劇場で、その後渡欧です。海外公演は1年生は行かず、2~4年生が行きます。私もはじめてなので、本当にドキドキしています。楽しみです。そのために一生懸命、練習しています。やはり一番重要なことは、どれだけ良い演奏ができるか、ですから。

練習は新宿や高島平の区民センターなどで

練習は新宿や高島平の区民センターなどで

Q. サークルに参加して感じたことや得たものは?
A. サークルには300人以上いるので、出会う人ごとに、みんな価値観が違ったり、さまざまなことを考えていて、とても面白い友人がたくさんできました。そういった色々な人たちが、普段の練習は弦楽器、管楽器という風にいくつかのセクションに分かれて練習しているのですが、集まって演奏し、音がまとまったときというのは感動します。もちろんサークルと勉強との両立も大変で、ワセオケに多くの時間を費やしているのですが、充実しています。

Q. いままでで一番印象に残っていることは?
A. 3年生でコンサートマスターになったことです。通常は4年生がやるのですが、私にできるだろうかと、とてもプレッシャーでした。コンサートマスターになるまでは、なんというか、自分が好きなように、ただ自由に好きなようにやっていたのですが、責任者としてやらなくてはいけないことを考えるようになりました。でも「まとめてやろう!」とすると、まとまらなかったりして。この頃は「何もしないこと」を心掛けているんです。なにもしない、といっても見放しているわけではなくて、いかに皆の良さを引き出せるかということ、それはみんなに自由にやってもらうことだと思っています。

Q. ところで、早稲田の社会科学部に入学した理由を聞かせてくれますか?
A. まず校風に憧れて、自由な感じの早稲田に入学したかった。平日に大学に来てみたことがあって、そのときの雰囲気がとても気に入ったんです。ワセオケが初心者にも門戸を開いていて、誰でも受け入れてくれることも、早稲田らしいな、と思っています。他の大学だとオーディションがあったり、制限があったりするところもあるんですよ。社会科学部に入ったのは、経済学、社会学に興味があったからです。

Q. 新入生、在学生に向けて、メッセージをお願いします。
A. 早稲田だと勉強も一生懸命できるし、たくさんの人にも会える。どんなサークルでも、何か早稲田のサークルに入ってみたら学生生活が本当に楽しくなると思います。そして、ぜひワセオケの演奏会にも足を運んでみてください。

*1913年に創立された、ワセオケの愛称で親しまれているアマチュア・オーケストラ。早稲田大学の学生約300人によって構成されており、活動範囲は国内にとどまらず、1978年、「楽壇の帝王」と呼ばれたヘルベルト・フォン・カラヤン氏が主催した国際青少年オーケストラ大会で優勝して以来、海外公演は12回を重ねている。いずれも各国で絶賛を博し、「Waseda」の名前を世界に広めてきた。故カラヤン氏は本楽団を極めて高く評価し、大隈講堂において公開リハーサルを指揮したほか、逝去するまで常に援助を惜しまなかった。

大隈講堂は満席に

大隈講堂は満席に

2008年12月20日(土)に大隈講堂にて行われた「カラヤン生誕100年記念演奏会」。 この演奏会は、カラヤン財団より日本の団体で唯一公認を受けていた。

2008年12月20日(土)に大隈講堂にて行われた「カラヤン生誕100年記念演奏会」。
この演奏会は、カラヤン財団より日本の団体で唯一公認を受けていた。

「日本の早稲田から、世界のWaseda」へ。ワセオケはその尖兵となってくれるのではないでしょうか。これからも素晴らしい音楽を世界へ提供し、多くの人を感動させていってほしいです。

(聞き手・構成:志熊万希子)
掲載:社会科学部報No.52

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