School of Social Sciences早稲田大学 社会科学部

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【社会科学部報 No.51掲載】地域に生き、人を結ぶ。

【社会科学部報 No.51掲載】地域に生き、人を結ぶ。

1973年卒 新井 俊雄 さん

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Profile
新井 俊雄(あらい としお)
埼玉県川口市出身。
株式会社アライ(HP:http://www.arainet.co.jp/) 代表取締役。
埼玉県中小企業家同友会理事として活動し、現在、早田宰研究室と共に西川口の地域再生・次世代まちづくりの準備をしている。
良い会社・良い経営者・良い経営環境をめざす、地域でがんばる「社会的起業家」。

Q.どのようなきっかけから早田教授とプロジェクトを始められたのですか?
A.1年ごろ前、内閣府の川口の元気再生事業の集まりでお互い呼ばれ、そこで出会いました。話していくうちに、早稲田・社学ということで親しみが湧き、いつの間にか意気投合していました。先生の川口市への思いを聞いて、これは一緒に活動してゆけるのではないかと思いました。今ではこうして早田先生をはじめ学生 からの視点からも事業を見てもらえているので、本当に良かったですね。

Q.新井さんはどのような学生時代を過ごされていましたか?
A.私が学生時代は学生運動なども多くて、授業が休講、なんていうことも多かったから、今の学生とはだいぶ違うかもしれないですね。それに社学ができて当時まだ間もない頃で、社会人学生がほとんどでした。昼間は働いていて、夜は勉強をする。私自身も家業を手伝っていて、昼は仕事、夜は大学という生活でした。来年からは昼間部になるというけれど、時間の使い方というのは今も昔も大切ですよね。将来のことを見据えながら会社経営などの勉強をしていました。

Q.大学での経験が今に生かされていますか?
A.それは、もちろん。大学の授業だけでなくて、夜、友人たちといろいろなお酒を飲んだことは良い経験でしたよ。大学生になってからでなければできないし、今もお酒の販売もしているのだけど、この時のことが役にたっているね(笑) お店でも飲食店が必要としているお酒以外も色々な種類のお酒を幅広く取り扱っています。地域に注目した地ビールや地酒を取り寄せたりもするし、売り方、飲ませ方、メニューの提案等々工夫をしています。

早田ゼミは「都市居住環境論」をテーマとし、まちづくりに参加している

早田ゼミは「都市居住環境論」をテーマとし、まちづくりに参加している

Q.早稲田に入学された理由は?また社会科学部の良いところは何でしょうか?
A.やはり入学前に「早慶」のイメージというのがあって、私は、武骨な精神というか、雑多な、優等生タイプじゃないけどおもしろい、という早稲田に惹かれたんですね。学問の活用、頭の使いどころ!というような雰囲気が好きでした。 社会科学部はやはりバランスが取れる学部だと思います。いま振り返ると、意識していなかったけど、まさにある意味では今自分がやっていることが社会科学総合ということのように感じます。経済も、政治も、商業も社会貢献にも関わっていて、人と人を結ぶような、対話のできる人になりたいですね。

Q.早稲田はこうあって欲しい、と思うところはそういったことでしょうか。
A.そうですね。時代は変わり、国際化の中でも、日本の気質や早稲田精神というものを大切にしてほしいです。国際感覚だけではなく、日本人らしさ、日本の精神 のバランスをもった人間。なんだか、年を取るにつれてでしょうか、そういった精神を大切にしないといけないと一層考えるようになりました。大学に入る前からあったそういった思いは、学生の間にもっと大きくなって、今はさらにそれを実感しているようです。

Q.新井さんが普段心がけていること、目標としていることは?
A.『地域』です。私のライフワークです。地域を活性化させるために何ができるか、何をしたら良いか、私自身も同友会という国民や地域に根差した企業家支援の 組織で、「社長の学校」を開催し、勉強しながら日々活動しています。最近では農食連携や地域資源に注目しています。会社、仕事、生活すべて、地域のために という意識を持っています。

店内にはずらりと各地の地酒が並んでいる。

店内にはずらりと各地の地酒が並んでいる。

Q.最後に社会科学部生に向けて、メッセージをお願いします。
A.これからの日本を支えてゆくのだ、という気持ちを持って4年間を過ごしてください。最近の学生は就職の際にも、大企業しか見ない、見えないというところがあるように思います。インターンシップをするとか、中小企業の実態も自分の目で見て、グローバルな視野をもちつつもローカルな役割を持って活躍できるよう な人間になって欲しいと思います。

Q.社会科学部生に向けてメッセージをいただけますか。
A.社会人になって本当に忙しく、時間がなく、他の人のドラマとかを見たりすることも、他のこともする時間がなく、インプットが一気に減ってしまいました。最初の頃の僕がどんなものを企画にしたかというと、学生時代に考えていたことでした。学生時代の経験が、将来にものすごく大事。何でもいい、やりたいことをやって、大学4年間をぜひ満喫してください。

「新井さんが何かをしようとすると、自然と多くの人が集まり、協力してくれるのですよ」と早田先生。「人と関わるところはあくまで泥臭く、顔を合わせて関わっていくことがモットー」ということから、地域の人々の信頼を得ているのでしょう。地域の潤滑油でありたいという新井さん。これからも地域のために、社会のために、日本を元気にしてくれるに違いありません。

(聞き手・構成:志熊万希子)
掲載:社会科学部報No.51 2008年秋号

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