School of Social Sciences早稲田大学 社会科学部

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【社会科学部報 No.50掲載】こんな国際交流、はじめました。

【社会科学部報 No.50掲載】こんな国際交流、はじめました。

4年 関根 恵 さん/3年 小野 正晴 さん

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Profile
■関根 恵(せきね けい)【写真左】
厚木高校出身。上沼ゼミ所属。
■小野 正晴(おの まさはる)【写真右】
湘南高校出身。鷲津ゼミ所属。

2007年12月に大隈講堂で公開された、ICC(国際コミュニティセンター)主催ミュージカル「フェーム(FAME)」に出演。キャスト、スタッフ、すべて学内公募より集まった学生で、関根さんは日本語版で主役を、小野さんは日本語版・英語版のダブルキャストを演じた。校友でミュージカル俳優である沢木 順さんの指導も受け、学年・学部・国籍を超えた100以上の個性豊かな学生たちが力を合わせ、大成功させた。

Q: このミュージカルに参加されたきっかけは?
関根: 4年の6月ごろ、就職活動を終え、残りの大学生活をどう過ごそうか考えていました。 サークルにも所属していなかったことを、少し後悔していて。就職活動のときに受けた適正診断ではチームワーク力がないという結果が出ていて・・・。そんなときに、早稲田ネットポータルのお知らせで、たまたま、ミュージカルのキャスト募集を見つけたんです。歌うことが好きで、大学時代にどこかで歌う機会があればいいなと思っていたので、これだ!と思いました。あと、私は昔から緊張に弱く、いままでもそれで多くの失敗をしてきたんです。大勢の前で話すのも苦手、自分から行動することもない、そんな性格も克服したいとずっと思い続けていました。 いままで避けてきたことを、4年になってやろうと思ったんです。
activity11-2小野: プロデューサーの施依依(せいい)さん(第一文学部2年)と、以前、WIF(早稲田インターナショナルフェスティバル)で一緒に活動したことがあり、このミュージカルの話を聞いたのがきっかけです。「一緒にやらないか」と声をかけてもらいました。彼女は本当にいつも笑顔で、前向きで、すごく人を惹きつけるんです。ミュージカルなんていままでやったこともありませんでしたし、どちらかと言うと苦手だったんですが、僕はストリートダンスをやっていて、ダンスも好きだったので、参加してみようと思いました。

Q: 国際交流には以前から関心があったのですか?
小野: 大学に入学してから、国際交流に興味が沸いてきて。海外へは行ったことはなかったのですが、高校のときから英語の勉強は好きだったので、外への憧れみたいなものがありました。実際、大学には留学生が身近にいたし、留学生と交流できる環境もあり、留学生と話そうと思えばすぐに機会はあるんですね。あとは、このイベントの少し前に、自分でNPOの活動に海外ボランティアとして参加してきました。
関根: 実は、私は国際交流にそんなに興味がありませんでした(笑)。このイベントに参加したときも、初めはこのミュージカル企画のテーマである「国境を越えた交流」ということも、それほど意識していなくて、参加したきっかけも歌が好きという単純な理由でした。英語を話すのは苦手だったんですが、このプロジェクトに参加してみて、留学生が流暢に日本語の台詞を話しているのを見たら、感動し、とても刺激を受けました。

Q: このイベントに参加して感じたことや得たものは?
関根: みんなと過ごした時間や、自分自身と向き合って葛藤した時間、すべてが宝物です。笑ってばかりではなく、時には涙がこぼれてしまうほど辛いこともありました。プレッシャーに負けず、本番も無事に乗り切れたことで今までにない達成感を感じ、大きな自信になりました。あんな大舞台で一人で歌うことは本当に緊張しましたが、こんな緊張に打ち勝てたのも舞台袖にいた周りのみんなのお陰です。そしてまた、全員で作り上げられたからこそだと思います。私と同じように、人と付き合うのが苦手という人もいたのですが、これに参加したことで自分を変えることができました。
小野: 本当に、今こうして話しているだけでも、思い出して熱くこみ上げてくるものがありますね(笑)。一度限りのイベントなのに、それだけでは終わらないというか、これで知り合えた友人は一生ものです。外国人留学生たちの感想はどうだったのかな?ということも気になったんですが、多くのメンバーから「参加して本当によかった」ということを聞いて、やっぱり同じ気持ちなんだとわかり、とても嬉しかったですね。

Q: 一番印象に残っていることは?
関根: 本番前日に、スタッフ全員がキャスト一人一人に長い手紙をくれたことです。みんな眠る暇もないくらい忙しかったし、本当に大変だったと思うのですが・・・。帰りの電車で読んで涙が止まらなくなってしまいました。9月の夏休みには合宿もしたのですが、それから一気に仲良くなりました。初めは踊れないし、歌えないし、辞めてしまう人もいて、こんな状態でちゃんとしたカタチになるんだろうか、と心配だったのですが、完成したときには胸が熱くなりましたね。
小野: 手紙は一人一人の特徴などを指摘してくれていて、驚きましたね。かなりの人数がいるのに、全員をちゃんと見てくれていたんです。自分だったらそこまでできるだろうか、って思いましたし、これを読んだら、明日はやってやろう!という気持ちに させたれました。あと、僕が劇団四季の沢木さんの前で踊ったとき、「君、いいね」と言われたんです。あれは忘れられないですね!指導の仕方もわかりやすくて、自分もああなりたいって思いました。指導者によって声の出し方も、表情も、気持ちも、こんなに変わるんだって感じました。それに「大隈講堂」で公演できたことは、一生の思い出になりました。

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Q: ところで、早稲田の社会科学部に入学した理由を聞かせてください。
小野: 大学でどんなことができるかなって考えたときに、やりたいことが1つに絞れなくて。法学でもないし、政経でもないし・・・大学に入ってから見つけたいと思い、いろんな分野が学べる社学を第一志望にしていました。僕にはぴったりだったみたいです。
関根: 私はもともと国立大学に進学しようと思っていて、私立は考えていませんでした。本当に本番に弱い私が、センター試験でも失敗して泣いているときに、父親から「早稲田大学がいいかもしれないよ、受けてみたら」と言われたんです。 あのときなんで早稲田大学を勧めたのかわからないんですが、そのお陰で私は早稲田と出会うことができました。社学に決めたのは、広い知識を身につけたいと思ったからです。実際、社学に入学して。物事を多面的に考える姿勢を身につけることができたと思います。その姿勢は、学問だけじゃなくて、いろいろな場面で活かせることだと思います。

Q: 最後に、新入生、在学生に向けて、メッセージをお願いします。
小野: 大学は新しい発見ができる場所です。いろんな人が、いろんな場面で活躍できる。僕もミュージカルで自分の新たな一面を発見しました。数ヶ月間の練習、一度限りの上演なのに、ものすごく濃い時間でした。皆さんも大学でおもしろいことを発見してください。
関根: 何か始めることは勇気が要ります。でも、自分から動かないと何も得られないし始まらないし、やると決めたら最後までやり通してほしい。そうすることで得られることが絶対にあると思います。私は4年生になって、せっかくの「早稲田」という場所を活かしきれていなかったように感じました。半年前の私は、大学に対してそんなに思い入れがなかったように思います。 でも今の私は、早稲田、そしてこの社会科学部が大好きです。こんなに多くの人に出会う機会を与えてくれた早稲田に本当に感謝しています。皆さんも、一歩踏み出して、早稲田大学の魅力をたくさん見つけて欲しいと思います。

「いままで参加してきた”国際交流”とは違った、新しい経験だった」「1つのミュージカル作品を作るという目的が、結果として国際交流になっていた」と語る2人。このミュージカルを観て、多くの人が自分の生き方を問い直したに違いありません。社会科学部生の活躍を頼もしく感じました。

(聞き手・構成:志熊万希子)
掲載:社会科学部報No.50 2008年春号

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