School of Social Sciences早稲田大学 社会科学部

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【社会科学部報 No.48掲載】Mr. GOLD MEDAL アナウンサー。

【社会科学部報 No.48掲載】Mr. GOLD MEDAL アナウンサー。

1983年卒 刈屋 富士雄 さん

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Profile

刈屋 富士雄(かりや ふじお)
静岡県出身
昭和58年社会科学部卒
現在NHKアナウンサー

オリンピックは7大会を現地から実況中継。
04年アテネ、体操男子団体総合決勝では、日本が28年ぶりの金メダルを決める瞬間「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」と実況し、今年冬のトリノ五輪女子フィギアスケートの生中継では「トリノのオリンピックの女神は荒川静香にキスをしました!」、と荒川静香の金メダル獲得の瞬間を実況した。
相撲中継といえばこの方です。

Q. アナウンサーになられたきっかけは?
A. 小学校3年の時に見たメキシコ五輪の衝撃がその原点です。陸上男子200Mで金メダルと銅メダルを取ったアメリカの黒人の選手が、表彰式で黒い手袋をした拳を突き上げ、星条旗に反抗するシーンです。その時はどんな意味があるのかわかりませんでしたが、後にアメリカの人種差別に対する抗議であることがわかりました。オリンピックで手にした栄誉を捨ててでも守りたいもののために闘う人がいるという驚きは、やがてオリンピックやスポーツへの興味と重なりあっていきました。政治や経済、宗教、民族、科学など様々な要素が絡み合う中で、極限状態に追い込まれているからこそアスリートが見せる人間の本質を近くで見つめてみたい、又その人間を通して時代を見てみたいというのがマスコミを志した動機です。3年生までは実は共同通信を目指していましたが、ボート部での経験や ゼミで学ぶ中で、その志を最も果たせる職業はテレビであり、最も現場に近いのはスポーツアナウンサーではないかとの結論に達し、4年の時にアナウンサーを志望しました。

Q. 大学での経験は、今の仕事のバックボーンになっていますか?
A. なってます。まさにバックボーンです。私の大学生活は、3つの大きな柱がありました。体育局ボート部と早稲田大学田無寮、そして岡沢ゼミです。そこで学んだことや刺激を受けたこと、人脈がその後の人生を決め、今に生きています。

Q. どんな学生生活を送られていましたか?
A. 朝ボートを漕いで、昼ご飯食べて、夕方授業受けてゼミ行って飲み会もあって。で、また次の朝は練習。ゼミの打ち合わせやディベートの勉強をしなくてはならなかったけど、当時はそんなにスケジュールが詰まっていたという感覚はなかった。今、考えてみれば忙しかったし、肉体的、精神的にもきつかったはずだけど、あの時だからできたのかな。それに、今だから思うけど、社学じゃなかったら4年で卒業できてないと思う!

Q. 社会科学部で本当に良かった。
A. マスコミ志望の私にとって最高の環境でした。幅広くいろんなものに興味を持って勉強できた点、また逆に興味のあるテーマにいろんなアプローチができた点です。ゼミでの研究テーマは「ナショナルインタレストとしてのオリンピック」でした。いろんな考え方を持った人たちと議論できたことが自分の視点や世界を広 げました。結局、自分が何をやりたいのかということだと思います。大学に入ることが目的ではなく、自分が将来何をやりたいのかということを考えて、学部を選ぶ、あるいは大学での過ごし方を選ぶっていうことなんだと思う。僕の場合、兄貴が強引に早稲田しか受けるなっていうのもあった(笑)

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Q. どのようなゼミだったのですか?
A. 卒業生をみても、本当にマスコミ関係者が多い。類は友を呼ぶというか・・・。でも主張は全く、多種多様。こういう意見がある人間がいる、というのをまず認めて尊重する、その上でじゃあ自分はどうするのか、っていう考え方で、「自分と違う人がいると、拒否しようとする、あるいは馬鹿にしたりする気持ちが生まれるかもしれないが、まず相手の欠点を認めろ、完全な人間はいない。自分にもそういうところがあって相手にもそういう思いをさせていることがわかる。そこから始めれば、生き方が、思想とか全部違っていても共存できる。」って先生が言われて、なるほどな、と(笑)まさにそういうところでした。

Q. 学生の頃の、忘れられないエピソードは?
A. 第50回早慶対校レガッタで対校エイトのメンバーとして出場し、ゴール直前で慶応を逆転したこと。田無寮祭も最高の思い出です。そしてゼミのインカレ。慶応と学習院、駒沢のゼミとディべートや研究発表合宿などは忘れることのできない思い出です。ちなみに当時の駒沢のゼミは現在マスコミで活躍中の福岡政行先 生のゼミでした。

Q. 早慶戦には特別な思いが?
A. 早稲田ってやっぱり慶応っていうライバルがいるから、たぶん、同じように全力を尽くして努力してきた相手に対して敬意を払うっていう土壌もあるんじゃないかな。日本って、ブーイングの文化ではなくて、応援の文化なんだと思うよ。学生の頃、野球の早慶戦も観に行っていた。入学した春、阪神の監督の岡田が4年生で優勝して、卒業する年の秋にも優勝して、提灯行列にも参加した(笑)あれは良かったなあ!ボートの早慶戦の日は、オックスフォードとケンブリッジも招待していて、その対抗も同じ日にやって。イギリス大使館に招待されて突撃英会話をやったんだけど、全く通じなかった(笑)

Q. ご多忙の中、2003、4年の春には早慶レガッタ学内壮行会にもいらしてくださいました。そのときの大学はいかがでしたか?
A. 久しぶりでしたが、雰囲気や学生の熱気などは昔と変わらないなと懐かしく思いました。応援部と声を合わせる学生たちのいきいきとした表情からはエネルギーを感じました。まさに集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光・・・という感じでした。

Q. 同じ社学卒のデーモン小暮さんとも相撲中継をされていますね。大学時代のご友人などとも今も連絡を取られていますか?
A. とっている、なんてもんじゃなく、しょっちゅうです。先日もゼミの岡沢先生の出版記念パーティーに出席して語り合ってきました。久しぶりにゼミの一つ先輩の荒井広幸議員とも会いました。NHKに入ったゼミの後輩とも時々局内ですれ違ったりしますし、ボート部や田無寮のOB同士の交流もよくあります。卒業して23年経ちましたが、ますます濃くなっています。でも、会社に入って最初の10年間くらいはそんなに連絡取ったりしなかったんですよ。もちろん年賀状とか、転勤したとかだと連絡を取ったりしたのだけど・・・。10年すぎて、さらに15年くらい過ぎると、逆になんか連絡を取り合ったりしてね。社会人生活が後半になりかかってくると、またみんなとの連絡が密になってくるっていうのが、おもしろいよね。

Q. それぞれが、それぞれの場所で活躍するようになってから、なのでしょうか?
A. うーん、まずその会社とかその組織で、ある程度仕事を覚えたりっていうのにみんな精一杯だから、その後になるのかな。でも、なんでだろうなぁ。普通、疎遠になったらそのまま疎遠になっちゃうよね。一緒に4年間過ごしたっていうのは、家族とか親戚みたいなものだと思う。連絡を取らなくても、ずっと同じ距離間できているから、あることがきっかけでまた集まるというのは、たぶんごく自然なこと。高校までの友達っていうのは、やっぱり、なかなかそうはいかないかな?早稲田で出会った人たちっていうのは、その後の人生にずーっと関ってくるね。木みたいに、広がっていく感じ。

Q. 早稲田に入学されたきっかけは?お子さんに早稲田をお勧めしますか?
A. 兄が法学部で、早稲田精神昂揚会にいましたので、激しく勧められて入学しました。子供は3人いますが、もちろん勧めます。楽しいですよ、3つ子は。同じ遺伝子をもらってきて、同じ環境で育っているのに、3人とも全然違う。性格も成績も。あれをみて、はっきりわかるのは、人間は生まれながらにして性格は決まっているってことですね(笑)

Q. 早稲田は良くも悪くもマスコミに取り上げられることが多くあります。こうあって欲しい、これが早稲田だ、と思うことは?
A. チャレンジ精神旺盛で、自らへのファイングスピリットを持ち続け、義理人情に厚く、平和を愛し、弱者の気持ちを理解し、常にプラス思考で、官僚化することなく、自由な発想をし続ける人材の宝庫であってほしいと思います。

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Q. 刈屋さんが普段心掛けていることや、目標としていることはありますか?
A. 志高く、心深く。与えられた状況でベストを尽くす。この一瞬は二度と来ない。

Q. では、最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
A. 早稲田の学生に必要なものは、なにかをしようとするエネルギーじゃないかな。「今ありて」です。ぜひ学生時代にしか出来ないことに全力で挑戦してください。

岡澤先生より、学生時代の刈屋さんの話を伺っていましたが、おっしゃっていた通り、爽やかで明るく、頼もしい方でした。インタビューも、あっという間に一時間半以上経っていました。あなたも刈屋さんのファンになってしまいましたか?

(聞き手・構成:志熊万希子)
掲載:社会科学部報No.48 2006年秋号

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