School of Social Sciences早稲田大学 社会科学部

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【社会科学部報 No.47掲載】しなやかに、前向きに ~司法試験合格者から~

【社会科学部報 No.47掲載】しなやかに、前向きに ~司法試験合格者から~

2003年卒 亀舎 大悟 さん

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「法律関係の仕事に就こう」と志す学生の多さは、本学の特徴の一つ(大学別では、2年連続で最多の司法試験合格者を輩出!)です。
その中には、社学出身者も少なからずいらっしゃいますが、最近の合格者から、平成17年度に合格された亀舎(かめや)大悟(だいご)(03年卒:大西ゼミ/法学研究科06年修了)さんをお招きしました。市井の「司法試験合格マニュアル」には無い、生の声が伝わるでしょうか?

Q. まずは大学入学以前のお話を。どんな受験時代を過ごされました?
A. いわゆる「地方の進学校」という感じの高校で過ごしました。家から一番近いことで決めて(笑)。英語が苦手で・・・信じてもらえないでしょうが、difficultとdifferenceの違いが、高3の夏には解ってなかったです。先生からは『もうちょっと頑張れば「どこか」の大学には行ける』なんて励まされて(笑)。その当時なら「司法試験を目指す」なんて、口に出せなかった(苦笑)

Q. 意外ですね!絵に描いたような優等生だったのかと。そこから、早稲田を目指すようになったのはなぜ?
A. 早稲田OBで、商社マンから転身した世界史の先生がいたんですが、その人に憧れて、ですね。現役時代には叶わず、やむなく仮面浪人し、ひたすら英単語を憶 え(笑)、晴れて入学しました。

Q. 司法試験を考えて、いわゆる「司法御三家(早稲田・東京・中央の各大学)」を併願する受験生も多いようですが。
A. その先生に対する憧れが強かったので、早稲田だけでした。それがなかったら、地元か「どこか」の大学でくすぶっていたかもしれません(笑)

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Q. 入学後は、早速ガツガツ試験勉強を?
A. 教員を目指すつもりでしたが、史学は興味程度にとどめて、自分に向いていると思えた公務員を目指すことにしたんです。でも、「公務員になるための勉強」をしていてもダメだろうから、司法試験という高みに目標を設定したんです。失敗しても方向転換は利くだろうという、打算?もありましたが(笑)

Q. 勉強を進めている時は、どんな心持ちでしたか?
A. 無理かもしれない、分量的にもレベル的にも、果たしてこなせるのかな?と思っていました。
怖さもありました。昨年、ギリギリで落ちまして(10数番ほどの差!だったそうです)・・・今年は現行制度下でラストチャンスだったので、ダメだったら、この差を悔やみながら生きていくことになったかと思うと・・・シャレにならない(苦笑)
今回の合格者の平均年齢は29歳くらいだと聞いています。その点では、幸い、早くに結果を出せて、ほっとしています。

Q. 「迷い」と「恐怖」を振り切って、打ち勝つことができた、と。
A. 勉強するしか術(すべ)は無かったですよ。迷う時間も「もったいない」(笑)。いろいろ悶々と考えるんですけど、考えた後に、(もう1時間も無駄にしちゃった!)となるんです。それなら、この1時間を勉強に充てれば良かった、なんて(笑)。気晴らしに独りの時間を作ろうと思って、奥日光の温泉に出かけたことはありました。もちろん、格安のコースで(笑)。

Q. 親御さんのご理解・ご協力は、得られたほうですか?
A. 親に反対されたというケースも聞きますが、むしろ、親が積極的に薦めてました。『いったん舵を向けたんだから、岸に辿り着くまでは漕ぎ続けなさい』って。合格報告をすると、『お前には苦労させられたから、これからは私の好きなように生きていく』って(笑)

Q. 司法試験の他にも、社学が役立ったことは?
A. 時間を自由に使える余裕があったのは、かなり良かったですね。必修科目が少なくて、自分の都合に合わせて時間割を組めたのは大きかったかな? 他学部生にも、社学はいいなぁ、って言われますよ。自由度も高いし、どんな授業だってあるじゃん、って。講義の数と分野が多いらしいですね。でもさらに授業を増やして欲しいとは思っています。商学・経済学系列は充実していると思うのですが、同じくらい、法学系列も・・・
14号館はキレイだし、読書室もいっぱいあって、学生としては使い勝手が良かったです。
何が幸いするかは判らないけど、これらの環境は得がたいんじゃないでしょうか。

Q. 知人に、公認会計士を目指すために社学を選んだ人がいます。計算どおり合格して、立派に勤めています。授業が資格試験に直結するかどうかは別だし、そのためだけに入学、というのは極端かもしれませんが、何かに打ち込もうという人にはいい環境なのかもしれませんね。
A. この学部に満足していますし、「誇り」とでも言うのでしょうか、そういう感情すら抱いていますよ!

Q. 将来は、どういった方向に進んでいくおつもりですか? お会いした感じでは、「人情派の弁護士」って感じに見えますが(笑)
早稲田出身の弁護士・検事が各メディアに露出していますが、目標とする人はいますか?

A. ゼミでご指導いただいた大西先生には、『検事になれ』って言われてます。知り合いにもよく言われる・・・そんなに悪がはびこってますかね(笑)?
目標とする人はいないです。ありありと設定しなくても、自分の中で満足するタイミングがきたなら、それが「目標」だったのであって、「目標」を達成した状態なのではないかと思っているんですよ。だから、型を決めて、それを目指そうとは思わないです。自分が歳をとった時、(今、満足できてるな)と思えたな ら、それでいいのでは?って。自己満足度をどれだけ高められるか、なんですよ。

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Q. 最後になりましたが、新入生・在学生に向けて一言お願いします。
A. 学生は、打ち込める何かを見つけて、主体的にやるべきですね。漫然と生活してても、満足できてないなとか、堕落してるなとか、自身で気付くことはできると思うんです。それを無くしていけるよう、力を注げるよう、努めて欲しいです!

勉強に限らず、演劇でもスポーツでもいい、ということですよね?新入生の皆さん、解りましたか(笑)?

『受かったから言えるのかもしれませんが、諦めるのはOKだと思うんですよ。大事なのは、その時の撤退の仕方。あれは自分には向いてなかった、だけど他のこれは存分にやりたいから、次こそ頑張る、っていう気持ちがあれば。』
いい意味で楽観的で、フレキシブルな考えをする人という感じを抱きました。亀舎さんのマネをしても必ずしも同じ結果は得られないものではありますが、ご参考まで・・・

(聞き手:大山雄一郎)
掲載:社会科学部報No.47 2006年春号

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