- 研究番号:25P10
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2025年04月〜2028年03月
代表研究者

須賀 健雄 准教授
SUGA Takeo Associate Professor
先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry
URL:https://w-rdb.waseda.jp/html/100000831_ja.html
研究概要
IOT社会を陰で支える高機能素材の性能を追求する一方で、持続可能な社会に向けた省エネプロセスや分解・循環型材料の提案など、機能性高分子を取り巻く研究開発も大きく変わりつつある。多様な社会要請に応えるべく、申請者は、予め反応性をプレデザインした高分子に着眼し、使用環境・条件下で「その場(in-situ)反応」し、機能発現する高分子材料として開拓を進めてきた。光によって重合の進行/停止を自在に制御できる高分子ドーマントはその代表例で、汎用UV硬化プロセスに組み込む独自手法(精密UV硬化プロセス)により、硬化と同時に内部に数十nm寸法の共連続「傾斜」ナノドメイン構造やナノ〜メソ寸法の相分離構造を形成することに成功している。
また、申請者が独自に開発を進めてきた水中・大気中の微量なCO2を自発的に捕捉し防汚性を発現するジアミンポリマーや熱刺激で共有結合を可逆的に解離する架橋ポリマーは、環境低負荷・マテリアルリサイクルの視点でも興味深い。いずれの反応性高分子においても、架橋密度や各成分の親和性など反応場の精密設計が不可欠である。本研究では、フラスコや反応器で得られるポリマーを最終生成物として捉えるのではなく、「その場反応」により機能化する全く新しい機能性ポリマー群の開発を目的として、ナノ構造制御と合わせ機能を引き出す分子設計指針を明らかにすることを目的とする。