- 研究番号:25P08
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2025年04月〜2028年03月
代表研究者

小峯 秀雄 教授
KOMINE Hideo Professor
創造理工学部 社会環境工学科
Department of Civil and Environmental Engineering
URL:http://www.f.waseda.jp/hkomine/
研究概要
地盤改良工法のひとつである地盤凍結工法は近年の大深度地下を利用した外郭環状自動車道などの地下高速道路の建設にあたって,本線トンネルとランプトンネル接続のための地中拡幅における地盤改良工法として利用が予定されている.しかしながら,砂礫地盤で過剰な地下水流が存在すると効率的に地盤を凍結させることが困難となり,場合によっては地盤凍結が不可能な場合もありうる.この現象は,福島第一原発事故対策に用いられた地盤凍結の実施にあたっても問題となった.また従来,水ガラス系薬液注入によって対処することも試みられだが,凍結融解後に強度低下が生じることから解決策となっていない.
この課題を解決するために,高吸水性ポリマーを含む溶液を砂礫地盤に注入することにより,地盤の透水性を一時的に低下させて地下水流速を抑制することで地盤の凍結効率を増加させる.さらに,地盤凍結完了後には砂礫地盤に塩化カルシウム水溶液を注入することで,高吸水性ポリマーから離水させて地盤の透水性を回復させることが可能である.また,高圧噴射撹拌工法においても高吸水性ポリマーを用いることにより,ジェット噴流による地盤の破砕性能を向上させることが実証されている.
本研究は,上記のような高吸水性ポリマーの特性を利用することにより,地盤凍結工法や高圧噴射撹拌工法などの地盤改良工法を高機能化することを目的としている.基本的な高吸水性ポリマーを含む溶液の地盤注入特性と凍結土の挙動やジェット噴流の特性については,当該研究グループによってすでに実験的に解明されている.この研究プロジェクトは,この技術の現場への適用を目的として,技術現状の確認,適切な現場の選定,現場実験の計画と実施とその効果確認が主な内容となる.