- 研究番号:24P14
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2024年04月〜2027年03月
代表研究者

菅野 重樹 教授
SUGANO Shigeki Professor
創造理工学部 総合機械工学科
Department of Modern Mechanical Engineering
URL:http://www.sugano.mech.waseda.ac.jp/jp/
研究概要
本研究では、ロボットが人に接触を含む働きかけを能動的に与えることで、混雑環境を含む人-ロボットからなる協調動作を実現したこれまでのプロジェクト研究成果を踏まえ、身体的接触を介した内的ダイナミクスの知覚と介入に基づく内発的動機を誘発する人間協調ロボットの適応制御の方法論の確立を目指す。ロボットが介助やリハビリ等のように人の生活に寄り添って支援する場面では、人の習慣を健康的なものに変容させる長期のインタラクションが必要となる。「習慣の変容」を促すには、無意識的な自律神経系の働きにより不随意に生起する「内発的動機」をうまく誘発することが効果的であることが社会心理学の知見から知られている。そのためには、外部から直接観測できない対象者の自律神経系の状態とその動的な変化(内的ダイナミクス)を適切に把握し介入する技術が必要となるが、これまでの研究では人の状態計測技術に留まっていた。
そこで本研究では、身体的接触を介した内的ダイナミクスの知覚と介入に基づく人間協調ロボットの適応制御の方法論の確立を目指す。対象者自身ではうまく制御できない内的状態に自然かつ長期的に働きかけ、内発的動機付け機能の根本的強化を図ることで、介入終了後も持続可能な自発的行動変容を促せる枠組みが本研究の特色である。本研究によって、身体的接触を核とした「内的ダイナミクス推定技術」と「内発的動機を誘発する人間協調制御」の方法論の確立が期待される。本研究期間では、知覚と支援を兼ね備えた働きかけ技術に基づき、個々人の状態を理解し、最適な人間協調動作を行うためのロボットの知能の構築を目的とする。