- 研究番号：23C05
- 研究分野：environment
- 研究種別：奨励研究
- 研究期間：2023年04月〜2024年03月
代表研究者
菅野 颯馬 理工総研が募集する次席研究員
SUGANO Soma Junior Researcher
理工学術院総合研究所 田邉 新一 研究室
Research Institute for Science and Engineering
URL：https://w-rdb.waseda.jp/html/100003676_ja.html
研究概要
本研究の目的は、施設園芸のゼロ・エネルギー化やカーボンニュートラル化を実現するための再エネ設備の導入条件を、温室の熱収支等に基づいた一次エネルギー消費量の計算により明らかにすることである。気候や栽培する作物、温室の規模などの多様なパラメータが園芸施設のエネルギー消費量に関係するため、計算による検討を中心とし、開発する手法の精度検証を実験により行う。
3次元モデルを活用した熱負荷計算等に基づく温室の年間一次エネルギー消費量やCO2排出量、エネルギーコストの計算手法を開発し、実際の温室での実験により精度検証する。太陽光発電設備や波長選択型フィルムを導入した温室で、実際にヒートポンプ（HP）による冷暖房や自然換気の運用を行い、温室内外の温熱環境や日射量、エネルギー消費・生成量を計測する。実験に用いた温室の3次元モデルを作成し、気象データ、外皮の物性、HPの成績係数や部分負荷特性、太陽光発電の容量などを入力した上で、一次エネルギー消費・生成量、エネルギーコストを計算する。実験データとの比較により計算手法の精度を検証し、改善を行う。さらに、地域（気候区分）、外皮性能、設備条件（HPの性能）、制御温度、太陽光パネルの容量などを変数とした総当り計算により、温室のゼロ・エネルギー化や脱炭素化の達成に必要な設備の条件を明確化する。エネルギーコストの計算は園芸施設にHPなどの再エネ技術を導入するコストメリットを明らかにする目的で行い、その普及に向けたエビデンスの提供を目指す。
