Waseda Research Institute for Science and Engineering早稲田大学 理工学術院総合研究所

プロジェクト研究

スペイン、カタルーニャにおける建築の近代化過程に関する理論的研究と実践的展開

Theoretical and Practical Study on Modern Architectural Movement in Catalunya, Spain
  • 研究番号:17C09
  • 研究分野:environment
  • 研究種別:奨励研究
  • 研究期間:2017年04月〜2018年03月

代表研究者

人見 将敏 理工研が募集する次席研究員
HITOMI Masatoshi Researcher

理工学研究所 小林 恵吾研究室
Research Institute for Science and Engineering

研究概要

本研究は、今日の建築デザインを考えるにあたり、その背景となる過去の事象、特に地域固有の建築・都市の近代化過程に着目し再検証することで、そのデザインの本質的・理念的様態を捉まえながら、現代の多様な要求に対し実践的に応えることを目的とする。

本研究では理念と実践の両面から研究を行うこととし、まず理念的研究では、スペイン・カタルーニャ地方の建築・都市の近代化過程を対象として、建築論・存在論的研究を行う。当該地域の建築思潮は、その地理的・文化的要因からヨーロッパの中でも独自の発展を遂げ、多くの建築家らがその社会や文化を先導する役割を担った。本研究では、その建築家らの内、建築家集団G.A.T.C.P.A.C.の活動を中心に扱う。体制が王制から共和制へと移行する1920〜30年代において当該集団は、人々の生活改善を目標に、産業発展を要因とする都市部の劣悪な環境に対し建築設計や都市計画提案等を試みた。その際に当該集団は、工業化による技術発展の利用だけでなく当該地域の文化的背景である伝統的民家・集落の特質に着目し、物質的観点と精神的観点の両面から人々の住まいの在り様を問うことで、より人間的で豊かな建築・都市の近代化を志向した。当時のヨーロッパに流布していた近代建築の概念を受容しながら自国の文化・民族性との調和を図ったという特徴がこれまでの研究により明らかにされている。そこで本研究では、当該集団の捉えた、近代社会に必要とされた人々の生活を豊かにする要素、例えば、生活における「余暇」「休息」といった概念の建築・都市デザインへの適応等に焦点を当て、論を展開していく。上述の論究は、建築の制作論へと通じるものであり、また今日のライフスタイルを考える上でも見直すべき重要なテーマと考えられる。そこで実践的研究としては、その得られた知見を根底におき、今日的な様々な問題や高度化する技術発展を建築デザインとしてどのようにまとめ活用するのかを課題として取り組んでいく。

年次報告

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