- 研究番号:18P17
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2018年04月〜2021年03月
代表研究者

赤尾 健一 教授
AKAO Kenichi Professor
社会科学部
School of Social Sciences
URL:http://www.f.waseda.jp/akao/KA/Kenichi_Akao.htm
研究概要
我が国のエネルギー需給システムは、現在二つの大きな変革に直面している。一つはエネルギー取引の完全自由化であり、もう一つは再生可能エネルギー利用の大幅な拡大である。この二つの変革が浸透した次世代のエネルギー需給システムは、次のような状況の変化に対応したものでなければならない。まず、利害が一般に対立する供給者及び需要者が各々自身の意思決定・制御を行うようになり、需要者及び供給者が行う意思決定・制御は分散型がプロトタイプとなることである。また、再生可能エネルギーの導入により自然環境との係わりが拡大するため、自然環境の状態変動の影響をより強く受けるようになることである。本研究の目的は、このような完全自由化及び再生可能エネルギーの大量導入という状況に対応しながら経済効率性、厚生最大性、並びに信頼性を持つこれまでにない仕組みをもったエネルギー需給システムを実現することである。そのために本研究では、自己利益を追求する需要者並びに供給者(エージェント)と公益を追求する需給調整者・管理者(ユーティリティ)が参加するエネルギー需給ネットワークモデルを想定し、エージェントの分散的情報/局所的情報/私的情報に基づく分散決定・制御をユーティリティによるエージェント間の関係性を調整・制御によって公益を確保する仕組み(統合モデル及びメカニズム)を創出する。統合モデル及びメカニズムの理論的基礎を築き、同時に統合メカニズムの設計法の確立を目指す。