- 研究番号:16C03
- 研究分野:science
- 研究種別:奨励研究
- 研究期間:2015年04月〜2017年03月
代表研究者

石川 敦之 理工研が募集する次席研究員
ISHIKAWA Atsushi Researcher
理工学研究所 中井 浩巳研究室
Research Institute for Science and Engineering
研究概要
本研究課題では、液相中の分子のエンタルピーおよびエントロピーを理論的に算出する新しい手法「調和溶媒和モデル(Harmonic solvation model: HSM)」に基づき、以下の様な凝縮相で起こる様々な物理化学現象への理論的解明・予測を行う。
- 有機化学・無機化学における主要な溶液内反応を検討し、生成物収率や選択性がどのように温度に依存するのかといった点を解明する
- HSM法の利点の1つとして、エンタルピーとエントロピーの双方を高精度に算出できるという点が挙げられる。この特性を利用し、気液平衡、溶解平衡などの多相共存系を検討し、気体の溶解度が溶質・溶媒のどのような特性に左右されるのかを明らかにする
- 電極反応に対するギブスエネルギー変化を高精度に算出し、0.1 V程度の精度で電極電位や起電力を理論的に算出するアプローチを確立する
- 溶液内におけるタンパク質や高分子の形状・相互作用に対する、エンタルピー・エントロピーに分割した定量的な解析を行う
これらの応用課題への適用を通じて「高精度な量子化学計算を行うことで初めて捉えることのできる、気相・液相の双方が舞台となる化学現象の解明」を行うことが本研究の目的である。