- 研究番号:19P04
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2019年04月〜2022年03月
代表研究者

高口 洋人 教授
TAKAGUCHI Hiroto Professor
創造理工学部 建築学科
Department of Architecture
URL:http://takaguchi.arch.waseda.ac.jp
研究概要
2015年に締結されたパリ協定では、工業化以降の気温上昇を2℃以上十分に下回る、可能ならば1.5℃以下に留めることが目標として定められた。従来目標は温度上昇を2℃以下に抑制することで、そのために必要なCO2の排出抑制は、概ね2060年から2080年の間にネット・ゼロエミッション、もしくはマイナスにすることであった。しかし、パリ協定では1.5℃以下の温度上昇と目標が強化されたため、ネット・ゼロエミッションを実現する必要がある期限も、2045年から2060年の間と前倒しされることになった。従来目標は多くの現役世代にとって次世代が達成する、言わば他人事の目標であったのに対し、パリ協定では現役世代が責任を持って達成しなければならないものと位置づけられたことになる。
建築物の建設や都市開発において、ネット・ゼロエネルギービルやネット・ゼロエミッション開発が増加してきた。低層新築建築物では、ビル単体でネット・ゼロエミッションを実現することはもはや不可能ではない。しかしこれらの多くは政府の補助金を活用し、かつ企業の広告宣伝を兼ねており、建築主や開発主が経済性やその他の動機から自主的に建設や開発に取り組んでいるわけではない。そこで本研究では、建築や都市開発に関連する省エネルギー、低炭素技術の普及促進手法、サステナブル社会への移行を促進する社会技術開発、移行度合いを測るトランジション・マネジメント技術の開発と実証を行う。