- 研究番号:18P05
- 研究分野:technology
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2018年04月〜2021年03月
代表研究者

小柳津 研一 教授
OYAIZU Kenichi Professor
先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry
URL:https://oyaizu.myportfolio.com/
研究概要
代表者が独自に見いだしたジフェニルジスルフィド(DPS)融液の酸化重合の全容解明とDPS溶融下で酸化剤(O2)への電子移動を媒介するレドックス触媒の開拓により、従来不可能とされた分子量5万以上でハロゲン含量10ppm以下の高特性ポリフェニレンスルフィド(PPS)を創出するとともに、モノマーをDPSの各種誘導体へ拡張し、既に手がかりを得ているポリマーブレンドと併せ、類例の少ない超高屈折率(nD > 1.8)・耐熱(ガラス転移点Tg>180℃)・透明(完全非晶質)樹脂として展開することを目的とする。PPS本来の結晶性はメチル置換DPSから得られる完全非晶質(透明)誘導体でも分子占有体積当りの分極率を高めると着想し、Lorentz-Lorenz式から予想される超高屈折率をPPS誘導体で実現する。本研究による透明樹脂は原子屈折の高いⅡ価硫黄を高濃度に含有する多様な非晶質ポリマーに展開する手掛かりの一つと位置付けられ高屈折率材料の従来限界を突破した革命的透明樹脂につながる卓越した成果が期待できる。酸素消費と水副生のみで進行し、安全で環境合致の利点に加え、簡便な湿式プロセスにより成型可など経済性も期待でき、潜在的なニーズは極めて高い。