- 研究番号:17P21
- 研究分野:environment
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2017年04月〜2020年03月
代表研究者

関根 正人 教授
SEKINE Masato Professor
創造理工学部 社会環境工学科
研究概要
近年、気象の極端化に伴い、我が国ではこれまでに記録されたことのない豪雨が発生しています。すでに整備された下水道や都市河川が有効に機能するのは設計降雨強度までの豪雨であり、これを超えると浸水が発生します。このような豪雨が頻発することにより浸水被害が毎年のように多発しています。東京都23区を例にとると、2013年7月には目黒区・世田谷区で広範囲の道路冠水や住宅地の浸水が起こりました。今後は、これまで以上に大規模な豪雨災害の発生を懸念しています。
こうしたことを考慮して、研究代表者は、東京都23区のような高度に都市化されたエリアを対象に、豪雨時に発生する「都市浸水」と「都市河川の洪水」とを一連の事象と捉え、これを精緻に予測する手法の開発に努めてきました。本研究では、この手法をさらに発展させ、「リアルタイム浸水予測」の実用化を目指します。この成果は、東京都23区内のどの地点でも、たとえば「30分後に○mの浸水になると予測されます」といった情報として提供できるようになります。また、この情報は、たとえば浸水リスクの高い地下空間の事前対策や、万一の際の「利用者の避難のタイミングや方向」の判断にも活用できるはずです。
2020年夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。「都市浸水予測システム」がそれまでに実用化されその情報が活用できるようになっていれば、それが海外からのお客様に対する「最高のおもてなし」となりますし、「世界一安全な都市、東京」を強く印象づけることにもつながると考えています。