- 研究番号:14P57
- 研究分野:science
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2014年10月〜2017年09月
代表研究者

門間 聰之 教授
MONMA Toshiyuki Professor
先進理工学部 応用化学科
Department of Applied Chemistry
研究概要
本研究の目的は,リチウムイオン電池(LIB)の内部状態評価として,非破壊で測定されるLIBのインピーダンス応答に対する解析を行い,電池内部の変化挙動を追跡するための解析法の提案である.LIBの交流インピーダンス応答は,直流作動の電気化学デバイスであるLIBにおいて,その反応系を大きく乱すことなく作動中および待機中に測定される.従来は,製品として組み上げられたLIBではなく,3電極式電気化学セルが用いられ,電極開発のために行われる電気化学的解析手法の一つとして利用されてきた.本研究ではLIBの各種充電・放電状態のインピーダンス応答に対して,その評価解析を行う.特に,電池形状および測定機器との接続に起因するインピーダンス成分の把握と理解をする.さらに,交流以外の波形を用いたフーリエ変換(FT)を用いたFTインピーダンス法も適用する.また充電・放電の作動サイクル等による性能劣化を進行させたLIBのインピーダンス応答に対して,解析手法の開発および解析結果の評価を行い,LIBの劣化の要因と電気化学的パラメータ変化を相関させる.以上の検討より,LIBのインピーダンス応答解析手法を改良・提案するとともに,LIBの全電池インピーダンスから推測する手法・可能性を探る.
主にラボ測定による電池研究のためのin situ解析技術として期待される,交流インピーダンス測定に対して,その応答に対する解析手法の検討を基準電極を導入した精密測定を背景に行う.特に劣化の進行したLIBおよび各メーカーの製造するLIBの応答についても,解析を可能とし,広くLIBの解析手法を提案する点を特徴とする.得られた成果は,学術的には電気化学交流インピーダンス法として電気化学系のインピーダンス応答解析に用いられるとともに,LIBにおける材料革新と革新蓄電池の開発に活かされることが期待される.