本シンポジウムは、建築から農学にわたる領域を横断し、バイオフィリックデザイン(植物などの自然要素を建築環境に積極的に導入する試み)や施設園芸研究の最新動向を俯瞰することを目的に開催された。
はじめに、創造理工学部建築学科教授の田辺新一先生より開会挨拶と趣旨説明が行われた。
第一講演では、早稲田大学理工学術院総合研究所 次席研究員の菅野颯馬が「人間・自然・建築:バイオフィリックデザインの研究」をテーマに、近年の早稲田大学におけるバイオフィリックデザイン研究について広範な解説を行った。
続いて第二講演では、株式会社日建設計の伊藤浩士氏が「自然と共にある建築・環境設備」をテーマに、建築設備設計者の視点からバイオフィリックデザインの実例を数多く紹介した。
第三講演では、農研機構農村工学部門の石井雅久先生が「農研機構が取り組む再エネ地産地消のための農山漁村エネルギーマネジメントシステム(VEMS)および施設園芸の脱炭素化に向けたゼロエネルギーグリーンハウス(ZEG)の研究開発」をテーマに、施設園芸温室の脱炭素化に向けた国内の取り組みについて解説を行った。
最後に第四講演として、千葉大学大学院園芸学研究院 教授の後藤英司先生が「植物工場研究の最前線(月面農場を含めて)」をテーマに、植物工場や宇宙農業に関する最新の研究成果を紹介した。
全ての講演で来場者との活発な質疑応答が行われ、非常に充実したシンポジウムとなった。