本シンポジウムは,自動車技術やモビリティ社会に関わる諸問題を対象に,理工総研プロジェクト研究「持続可能なモビリティ技術の研究」の活動の一環として以下の講演が行われた.
講演1では(株)いすゞ中央研究所の大橋伸匡氏より「ディーゼルエンジンのライトサイジングによる部分負荷の熱効率向上コンセプト」をテーマとして高圧縮比の背反課題解決による熱効率改善について,講演2では(株)本田技術研究所の古澤宏一朗氏より「Hondaの燃料電池開発 ~多用途展開への取り組み~」をテーマとして再エネ由来の電気に加え水素・カーボンをエネルギーキャリアとした循環利用について,講演3ではENEOS(株)の菅野秀昭氏より「カーボンニュートラル社会の実現に向けたENEOSの取り組み」として合成燃料を中心とした製造方法やサプライチェーン構築について,講演4ではマツダ(株)横尾健志より「新型ロータリーエンジン8C型の紹介」をテーマとしてロータリーエンジンのメリットの活用とデメリットの克服について,講演5では三菱自動車工業(株)の半田和功氏より「PHEVの技術的な価値と魅力」をテーマとして電動化した4輪制御技術,外部給電機能などPHEVならではの魅力について,講演6ではデロイトトーマツコンサルティング合同会社の森啓文氏より「カーボンニュートラルに向けたゼロエミ車両(ZEV)導入シナリオの検討」をテーマとして必要資源量等を考慮しながらCO2排出削減に向けたロードマップについて,講演7では冨田務氏,平松孝道氏,中田雅彦氏,前田義男氏,岩井信夫氏,大聖泰弘氏より「自動車用の燃料・エネルギーに関する将来展望」をテーマとしてLCAでのCHG削減に関して鼎談形式で講演して頂いた.
また,特別講演として,日産自動車(株)の中畔邦雄氏より「技術で,未来を創る ~モビリティの現在地と将来展望~」,本学の林泰弘教授より「モビリティとエネルギーとの真のカップリングを目指して」というテーマで講演して頂いた.