放射性廃棄物処分の遮水バリアとしてベントナイトという土質材料を用いることが有力視されており,処分の安全性担保の上で重要な役割を担う.ベントナイトの工学特性の研究は1970年代から継続的に実施されているが,その実験的研究には長期間を要するため,産・官・学の垣根を超えた関係者間での協力や共同研究が必要不可欠である.代表者は早稲田大学・電力中央研究所・名古屋工業大学・神戸大学の若手研究者を中心とした,定期的な研究交流を行うベントナイト勉強会を設立し,これまで6回のワークショップを実施してきた.今回のワークショップは,全国から様々な関係者を募集し研究交流を行った.参加者は大学の研究者をはじめ,建設会社やメーカー,放射性廃棄物処分の事業主体など,幅広い企業から参加された.また,発表内容も地盤工学のみならずコロイド化学や分子動力学など多様な学術分野に基づいており,活発な議論がなされた.本ワークショップを通して,ベントナイトの共同研究交流をより活発化する研究者・技術者ネットワークが強化されるとともに,早稲田大学がその中心的役割を担っていく可能性が高まったと言え,極めて意義のあるイベントとなった.