産業用オープンネットワーク・ラボラトリでは,例年この時期にユーザの事例紹介を交えたセミナを開催している.産業用システムのスマート化はデジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展にともない,必要不可欠な目標と認識されている.本ラボラトリは,3つのセクション,すなわち,FCGセクション,IO-Linkセクション,FDTセクションで構成している. 今回の「スマート製造とフィールド情報ユーザセミナ2023」では,3セクションから,最新技術についての紹介を午前に実施した.63号館1階の情報ギャラリーではマイクロフェアとして,3セクションからテーブルトップのデモ装置の製品展示が実施された.午後はまずFDTセクションから,「スマート製造のSMKL指標の活用事例」として三菱電機株式会社の藤島 光城様から講演頂いた.その後,FDTセクションが構築中のGAIA-X接続実証 システムの紹介をFDTグループ日本支部,NTTコミュニケーションズ,IAF制御層情報 連携意見交換会との協同で実施された.IO-Linkセクションからのユーザ事例としては,バルーフ株式会社 角田 祐一様から「IO-Link採用事例の紹介」と題して報告された.そして,フィールドコムグループセクションからのユーザ講演として三菱ケミカル株式会社の福田光史様から「工場DXにおける製造現場(計装設備) の課題」として講演していただいた.これらのユーザ報告を受け,パネルディスカッションでは「オペレーションデータ連携における課題とスマート製造への展望」として3セクションの代表およびユーザ代表として福田様にパネリストにお迎えして70分にわたり会場参加者も含めた活発な議論が展開された.