今回は第22 回の開催となった。第一部 特別講演、第二部 テーマ発表の2部構成とし、テーマ発表では1回の休憩をはさんで4件の講演発表があった。
第一部 特別講演では、山田 宰 (株式会社ITCC、アクアエア株式会社、ソフトセラミックス研究所 各代表取締役)による「技術立国日本の再興に向けて 〜デジタル放送研究開発の経験から学んだこと〜」と題し講演が行われた。NHK放送技術研究所所長、パイオニア(株)専務取締役を歴任された経験から、デジタル放送研究開発の過程で多くの困難に直面したこと、多くの研究担当者と世界一の性能を持つ現行衛星・地上デジタル放送の実用化に漕ぎ着けたことの紹介と、国・企業・個人の各レベルでの解決すべき課題を技術立国再興への提言として紹介された。
第二部 テーマ発表では、まず、入交英雄 (株式会社WOWOW 技術局 エグゼクティブ・クリエイター)により「3Dオーディオ(イマーシブ・オーディオ)の制作面と普及面における諸課題」、その後、横田哲平 (NFS_Lab代表)から「大音量でも周りに迷惑をかけない音響装置:ButterFlyAudioについて」がなされた。ここで休憩を挟み、休憩時間は今回の発表者の方々による視聴デモ、参加者の情報交換の時間とした。休憩後は、池田雄介、麻野天詩、松本綾太、鈴木薫佳 (東京電機大学)により「多チャンネル高速1bit再生システムを用いた動的局所音場合成システム」に関する発表、最後に、中田 宏 (フリーランスのエレクトロニクスエンジニア「商号 匠コンピューター」)により「⊿Σを改良したPDMによるスピーカ駆動方式」と題して発表がなされた。
いまだ新型コロナの影響があるものの、100名の参加者があり、対面開催により非常に活発な質問、幅広い内容が議論された研究会であった。