理工学術院総合研究所(理工総研)の若手研究者育成・支援プログラム『アーリーバード』10月31日の競争的資金獲得講演会に引き続き、待望のアーリー卒業生を迎えた講演会を開催しました。2011年第1期からのメンバーをリスト化し、企業や大学、海外で活躍されている方に講師依頼を行いましたが、後輩のために大変熱のこもったお話をしていただきました。
講演会概要
2022年11月8日と11月14日に、2022年度のアーリーバードプログラムの活動の一環として、アーリーバードプログラムのOBOGの方々による講演会をオンラインにて実施しました。講演者には、11月8日ではロックフェラー大学の博士研究員である有村泰宏先生、11月14日では早稲田大学理工総研次席研究員である田中一成先生、パナソニックホールディング株式会社の研究員である大越昌樹様をお招きしました。本講演会では御三方の講演者をお招きして、博士号取得後にどのようなキャリア形成をしたのか、キャリア形成をする際にどのようかことを考えたのかをZoomにてご講演くださいました。講演会後はSpatial Chatを用いて懇親会を行い、講演者の方々が気さくに学生の質問にお答えくださいました。
有村泰宏先生のご講演(11月8日)

有村泰宏先生(米国在住のため、日本時間正午からご講演いただきました)
有村泰宏先生はアーリーバード第5・6期メンバーである本活動の先輩であり、現在は米国に拠点を置き、ロックフェラー大学の博士研究員としてご活躍されています。本講演では学生側が事前にお送りした質問事項に対して、有村先生の経験を踏まえて、わかりやすく丁寧にご回答くださいました。
日本国内での研究生活と海外(特にアメリカ)での研究生活の違いについて、複数の観点から比較しつつ説明をしていただきました。特に、事務作業や研究施設、博士課程入学の違いを言及していただいたときは、日本と海外で大きな違いが生じていることに驚きが隠せませんでした。

有村先生のスライドより
また、海外文化に適応するために用いたツールも説明してくださり、海外留学や海外への移住を考えたときに非常に役立つ要点も教えてくださいました。このように海外で研究生活をしてみないとわからない点を日本と比較しつつ、詳細に説明してくださいました。
大越昌樹様のご講演(11月14日)
大越昌樹様はアーリーバード第2期メンバーであり、現在はパナソニック・ホールディング株式会社の研究員を務められております。大越昌樹様には、博士号取得後のキャリア形成をする際にどのようなことを考えたのか、博士号が有利に働いた点などを体系的に説明していただきました。特にアカデミアと企業との研究面や研究費、博士の立場についての違いを表にまとめて、わかりやすく言及していただきました。また企業内での研究の進め方をスキルの観点と精神面の観点から説明していただいた点も非常に印象的でした。このように、企業とアカデミアとの違いをざっくばらんに説明してくださった貴重な講演でした。

大越様のスライドより

大越昌樹様
田中一成先生のご講演(11月14日)

田中先生のスライドより
田中一成先生はアーリーバード第6・9期のメンバーである本活動の先輩であり、現在は早稲田大学 理工学術院総合研究所 次席研究員を務められております。田中一成先生は、ご自身の研究テーマの推移や研究へのモチベーション維持やメンタルケアのコツなどをご説明していただきました。特に、研究者として自分のしたいことと業務とのバランスが非常に重要だと学べました。また、運動や日光浴、朝食を食べることといった人間として当たり前のことを疎かにすべきではないとも説明していました。このように田中一成先生の研究を取り組む上でのモチベーション維持・メンタルケアのコツを中心にお聞きすることができました。

田中一成先生