2020年10月に日本政府によって2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルが宣言され、その実現に向けた取組みが加速している。化学製品は生活でも産業でも不可欠となっているが、一方でその製造を担う化学産業は温室効果ガスを多く排出している。カーボンニュートラルを達成し地球温暖化を防止するためには、温室効果ガスを排出せずに炭素等の物質を循環する産業と社会システムの実現が不可欠である。
本シンポジウムでは、カーボンニュートラル達成に向けた化学技術の責務と挑戦を、産学の化学の専門家が講演し、続けて地球温暖化防止の実現に向けた多様な立場の人々の役割について、リスク管理の専門家が講演を行った。また、全員参加型のグループ討議も実施し、次世代を担う若者をはじめ多様な立場の参加者と、2050年にありたい社会の姿とその実現に向けた我々の役割を多面的に議論し、一緒に考えた。
中学生、高校生や、環境問題に関心の高い一般参加者も積極的に議論に加わり、活発に意見が交換され盛況に開催された。