- 研究番号:19P10
- 研究分野:science
- 研究種別:プロジェクト研究
- 研究期間:2019年04月〜2022年03月
代表研究者

片岡 淳 教授
KATAOKA Jun Professor
先進理工学部 応用物理学科
Department of Applied Physics
URL:http://www.spxg-lab.phys.waseda.ac.jp/
研究概要
本提案では、これまで縦割り的に行われてきた放射線イメージング研究を刷新し、宇宙(素粒子/原子核)・医療・産業すべてに跨る共通シーズの創出を目指す。とくに、10キロ電子ボルト(keV)から10メガ電子(MeV)ボルトの3桁にわたるエネルギー帯で、3D動的カラー放射線イメージングの基盤を確立する。現代医療の根幹をなすX線CTにおいては高線量・白黒画像を脱却し、従来CTの1/100の低線量化と多色化を目指す。MeV以上のエネルギーは励起核から生ずる核ガンマ線の主要なチャンネルであるが、宇宙・医療ともにほとんど研究が進んでいない。本申請では1-10MeVに特化したイメージング技術を新たに創出し、宇宙科学においては小型衛星を利用したMeVガンマ線天文学の開拓、CALETプロジェクトの推進による宇宙線物理とのシナジー開拓、医療においては粒子線治療の高度化をはかる。さらに、近年注目を集めるRI内用療法では、アルファ線と同時放出されるガンマ線のイメージングに挑戦し、薬剤の集積状況を短時間で可視化する。分子イメージングへの応用では、様々な核ガンマ線を用いることでPET(陽電子断層撮影)の多色化と新規分子プローブの開発が見込まれ、産業界に直結する大きな可能性を秘めている。環境計測においては雷放電により大気中で発生する核ガンマ線のイメージング探査、また福島上空における空間線量率の3次元マッピングなど、全く新しい切り口を提供する。