従前、本研究科の入試・進学説明会は、直接構内でお会いしながら対面の形式にて開催をしておりましたが、全国各地あるいは世界各国より受験を考えておられる皆様方の移動やスケジュール等を考慮いたしまして、このようにオンデマンドコンテンツを通じての説明をさせていただくことといたしました。何卒ご理解ください。
尚、在学生からのメッセージでは、研究内容や普段の1週間のスケジュール等をご紹介しています。
新たな世界標準の政治学方法論と日本と世界の政治についての深い理解とを兼ね備えた研究者の養成を目指しています。また同時に、マスター・サイエンスとしての政治学の専門知識を身につけて、公正な地球社会の構築のために様々な分野においてリーダーシップを発揮し、望ましい地球社会の構築に向けて、構想を世界に発信し、志をもってその実現に努力する実践的人材の養成を目指しています。
一言に政治学といっても、複雑な事象を分析するためには様々なアプローチが必要となります。本コースには多様な専門分野において国内外の学会をリードする研究者が所属し、研究活動および教育にあたっています。
経験的方法、数理分析、規範理論の3つを教授する方法論3科目(下記参照)を修士課程の必修としています。これらの方法論を習得することで、深みの増した、より独創的な先端的研究を進めることができます。本研究科の博士後期課程へ入学した際には、分析手法について高度な理解を達成していることを判定する「分析手法認定試験」を実施しており、本試験の合格は必須となります。
「政治学研究方法(経験)」
実証的な政治分析を行うための方法論を学んだ上で、実際の政治分析を取り上げて、それを方法論的な視点から検討します。
「政治学研究方法(数理)」
政治理論を厳密な形で構築する方法を学びます。政治学の代表的な数理方法論であるゲーム理論の説明に多くの時間を割くほか、確率論や公理などを使って理論を構築するアプローチも紹介します。
「政治学研究方法(規範)」
概念(concepts)の適切な理解と使用のための、哲学的な読み方、書き方、考え方の技法を「概念分析(conceptual analysis)」と呼びます。この技法を習得することを目的としています。
以下の研究領域を軸として、科目編成および研究指導を実施しています。学生は入学後、いずれかの研究領域に所属します。研究領域毎に所属する教員の全員参加のもとで行われる「合同研究指導」により、開かれた指導体制を確立しています。また、所属する研究領域内の教員からメイン・アドバイザーを決定し、毎週行われるメイン・アドバイザーのセミナーにおいて、より専門的な個別の研究指導を受けることができます。
※改組に伴い公共政策研究領域は、グローバル公共政策コースに統合されました。
研究領域名 |
研究領域概要 |
実証政治分析 | 現代政治学の諸理論の探求と現代日本政治の分析、先進国の比較現代政治分析を行います。その中には、分析手法の開発・探求や、政治・投票行動や政治コミュニケーションの理論と分析も含まれます。 |
政治思想・政治史 | 西洋および日本の政治思想史と現代の規範的政治理論について探求を行います。政治史や政治思想に密着した憲法も同時に学ぶことが大きな特徴です。 |
比較政治 | 世界各地域の政治を、比較と歴史の視座から分析します。世界の中の日本という視点をもって政治の現在に、実証を含む多様なアプローチを試みます。 |
国際関係 | 国際政治、国際関係論、国際政治史、外交史を専門として、国際関係の理論や歴史を学び、現代の国際関係の分析を行います。国際関係をグローバルな視座でとらえ、歴史的、思想的、理論的に探求していく研究方法が特徴です。 |
科目区分毎に必要な単位数が設定されており、合計で32単位(社会人入試による入学者は30単位)を修得し、修士論文審査に合格しなければなりません。研究領域毎に科目が豊富に設置されていますので、各自のテーマならびに将来設計に応じて自身の専門知識を高めることができます。
博士学位取得を志し、修士課程から博士後期課程への内部進学を希望する学生向けに、5年間の一貫教育プログラムが設定されています。原則として修士1年次に方法論科目で先進的研究を行うための基礎体力である分析手法を鍛え、博士後期課程への入学後に備えます。その後の修士論文審査と博士後期課程入学試験で一定の成績を収めれば、博士後期課程入学への道が開かれます。
博士学位を取得するまでにいくつかのチェックポイントを設け、研究を推進するためのロードマップを提示しています。1年次には分析手法について高度な理解を達成していることを判定する「分析手法認定試験」を受験します。また、研究分野に直接・間接的に係わる必読文献のリストが毎年度配付され、その習熟度を測る「領域修了試験」を1年次~2年次に実施します。2年次以降~3年次には、博士論文執筆へ向けて論文構想が妥当であるかを見極める「論文構想試験」を実施し、研究の方向性を確認します。博士論文の審査にあたっては、論文審査委員会を設置し、厳正かつ公正に行われます。