11月14日(月)・15日(火)に小野記念講堂において、多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス&ワークショップが開催されました。
多和田葉子氏は、今年、ドイツの名誉ある文学賞の一つ「クライスト賞」を日本人で初受賞するなど、日独で活躍している作家であり、高瀬アキ氏は、ヨーロッパを中心に世界各地で演奏活動している音楽家で、ジャズ・即興音楽シーンで国際的に高く評価されています。
その2人が、言葉遊びと音楽のコラボレーションをテーマに様々なパフォーマンスを行うこの企画も、2016年度で7回目。初日は「葛飾北斎」を題材に10を超えるパートで演じられ、来場者を大いに魅了しました。
北斎の「凱風快晴」(俗称「赤富士」)のスライドを映したパートでは、赤富士の角度は実際の富士山よりも急な上り坂に見え、江戸時代は実はとてもエネルギッシュで高度成長の時期ではなかったかと、「フニクリ・フニクラ」の曲に合わせて歌いました。そして「行こう 行こう 火の山へ」のフレーズで誰もが知る「フニクリ・フニクラ」は、実は利用者が少なくて悩んだ登山電車会社がCMのために作った曲だったとのエピソードも披露され、人の心に残る曲やフレーズは意外なところに済んでいることが分かるパートとなりました。
2日目は学生・一般の方によるワークショップが開催され、4名の希望者があらかじめ北斎をイメージした朗読を作成し、高瀬氏のピアノと、今回協力された島田透氏のドラムに合わせてパフォーマンスを行ったあと、多和田・高瀬両氏による講評を受けました。
その後、来場者にもテーマが与えられ、即興で朗読を作成した発表希望者がパフォーマンスを行いました。若い方から年配の方まで積極的にチャレンジし、様々な言葉遊びに多和田・高瀬両氏も感心していました。
今年も盛況のうちに終了したこの企画は、2017年度も11月に実施予定です。ぜひみなさんも「言葉遊び」を楽しみませんか?詳細は7月頃に早稲田文化Webサイトにてお知らせする予定です。
※なお、当日の模様は後日、動画配信する予定です。