科目情報
- 科目名 :教育・学校心理学
- 科目区分:2年必修
- 執筆者 :池上 太一(教育学科教育心理学専修)
箱庭演習とは、心理学の授業ってどのようなものなのか。
今回は教育心理学専修での心理学の授業がどのように学んでいるのいうのかという点について紹介させていただきます。
教育学科教育心理学専修2年必修科目である、教育・学校心理学では主に学校内でのカウンセリングについての学習をします。このカウンセリングは不登校やいじめ、非行といった生徒の諸課題に行われるものです。この講義では学習の一環として遊技療法の一つである箱庭学習を行います。箱庭学習とは写真のような砂の入った箱の中でミニチュアをおいたり、地形を作ったりして、一つの世界を作り出し、その後カウンセラーと面談をする導入として使われるものです。この活動には個人で行うものとグループで行うものがあり、個人の場合はクライエントの深層心理がよりダイレクトに現れ、グループでは、ミニチュアや地形を作るときに周囲への影響に対して一層敏感にながら、協調性なども求められていきます。
自分たちの活動ではこの箱庭学習を4人一組で行い、その活動を撮影し、見返すことで、一人一人の行動観察や、発言にどのような意図があったのかなどを振り返る活動を行いました。また、箱庭が出来上がった世界でその世界に暗に示されている作成者たちの無意識な感情つまりは深層心理を考え、対話に繋げていきます。自分たちが話し合って作り出したものには自分が意識していなくても考え方や価値観が組み込まれていました。これらの実体験を基にした観察、分析の課題では実際に心理カウンセラーとして働くときのクライエント側とセラピスト側の両方の体験をするためにとても有意義なものでした。心理学の授業では、座学もありますが、自分自身が体験することで得られる学びが多くあります。
受験生の皆さんへ:自分で体験して学ぶことの素晴らしさをぜひ知ってください!
心理学の授業では、座学ももちろんありますが、座学の中でも自分たちで体験することができる学びがあります。今回は代表格として箱庭を挙げさせていただきましたが、他にも、錯視と呼ばれる、すごく簡単に言えば騙し絵のようなものを見る体験や、心理学の実験アンケートでは全員に同じプリントを配っているようで3種類のプリントを配ってアンケートをしていることがあります。
本年、私は梅永雄二先生のゼミで自閉症を伴う発達障害を持つ子供の観察、診断、アセスメントを行なっています。実際に自閉症の子供が週に一度大学に来て、自分たちが作成したワークに取り組み、その観察を行っています。最も自分の目で見たものが学びになるゼミだと思っております。
体験して学ぶことの素晴らしさをぜひ知っていただきたいです。皆さんのご入学を心からお待ちしております。