科目概要
- 担当教員:海老原 充・田口知樹・高木秀雄
- 科目名 :惑星地球の変動と進化
- 学科専攻専修:理学科地球科学専修
- 科目区分:1年必修
授業概要
理学科地球科学専修では、高等学校で「地学基礎」「地学」を履修してきた入学生がごくわずかであることから、高等学校で地学科目を履修していないことを前提として、1年生で4つの半期専門必修科目を開講しており、専修の教員8名全員が分担して受け持っています。それは、「地質学入門―地球の物質」、「地質学入門―地球の歴史」、「惑星地球科学入門」、「惑星地球の変動と進化」です。これらの科目を履修することにより、地学関連の基礎知識と教養を身につけるだけではなく、この分野への興味を広げてもらうためのプログラムとなっています。「惑星地球の変動と進化」は秋学期に実施され、その前半は、まず元素と同位体についての基礎知識を確認し、太陽系、地球・月の進化と年代学について解説します。さらに地球に絞り、地殻とマントルの進化や超大陸の誕生と分裂について取り扱い、惑星地球の進化を学びます。後半は、ウェゲナーの大陸移動説からプレートテクトニクスに至る歴史を紹介し、プレート境界での様々な現象とテクトニクス、プレート収束域であり、我々が住んでいる日本列島の変動について学びます。
宇宙から見た地球(NASAフリー素材)
授業の様子と魅力
この授業は、ダイナミックな惑星として現在でも活動し続けている地球について、「変動」と「進化」に焦点を当て、その理解を深めることを目標とします。授業ではそうした目標を達成するために、先ず地球がどういう素材から、どういう過程を経て形成されたかを学びます。同じ地球型惑星である金星や火星と異なり、地球が現在でも活動し続けているのはなぜでしょう。この授業ではその答を地球を構成する元素組成をもとに具体的な数値を導きながら理解します。続いて、46億年前に他の太陽系惑星と一緒に形成された惑星地球のその後の多様な進化過程、即ち超大陸の分裂と集合、大陸移動説からプレートテクトニクス、造山作用や日本列島の形成プロセスなど、地球科学の中でも非常に魅力的なテーマを扱います。必ずや、受講者が今まで以上に地球科学に強い興味を持つようになるものと期待される科目の一つです。授業では学生の参加を促し、できるだけ双方向授業となるように配慮します。また、多くの画像を用いて、理解を促します。
受験生へのメッセージ
「惑星地球の変動と進化」は、春学期の「惑星地球科学入門」で学んだ太陽系における地球の位置づけや、地球物理学の初歩的な内容を踏まえ、地球化学的な視点から見た地球の進化や、地球のテクトニクスの変遷、プレートテクトニクスの基本的な現象を学びます。私たちが住んでいる日本列島には、地震や火山が多いですが、それらの活動はすべてプレートテクトニクスの枠組みで説明されています。地球そして大地の営みを知る上で最も基礎となる部分を学んで欲しいと思います。