コロナ禍を経験した今、世界は急速な変化を続けています。
企業が置かれているビジネス環境も大きく変容している今日、激変するグローバル競争や国内の構造変化に即応するべく、日本の企業変革を進めることは、すべての産業における喫緊の課題です。
企業が成長を続けるためには、新しいサービスや顧客価値、ビジネスモデルを創造するイノベーションを起こさなければなりません。そしてその変革は、社会価値と経済価値の両立を意味するCreating Shared Value(CSV)の精神に基づくことが要求されます。
そのような日本の企業変革を促進するべく、早稲田大学ビジネススクールは、「世界で輝くWASEDA」を目指す早稲田大学が据える「研究の早稲田」「教育の早稲田」「貢献の早稲田」の三本柱のうち、「教育の早稲田」の一環として、変革をリードできる企業経営幹部の養成を目指したEMBA Essenceを開講しています。
EMBA Essenceは、実践的な経営のエッセンスを学ぶ一年間のノンディグリープログラムです。実務にも精通した早稲田大学ビジネススクールの教授陣に加え、企業の経営者からも経営の要諦について学べる内容になっています。また、多様な業界、企業から選抜された上級幹部候補生たちとの議論を通じて視野を広げるのと共に、変革を推進する「同志」となる人脈づくりの場を提供します。
本記事では、2022年度修了生の「受講を終えて」のインタビューを中心に、ホームページやパンフレットには掲載しきれない受講生の生の声から、EMBA Essenceの魅力をお伝えいたします。
EMBA Essenceのプログラム概要は、ウェブページよりご覧いただけます。
新しい環境での挑戦を通じて、自分自身の価値観を変えることができた。
次世代のグローバルリーダーに必要な知見・知識・考え方を、日本語と英語の両言語で学ぶ、EMBA-G(グローバル)コースを選択された丸山彬さん(丸山法律事務所)。普段はドメスティックな業界に身を置いている丸山さんは、英語で学ぶ機会が多いEMBA-Gコースを選択することに不安もあったそうです。
インタビューでは、本プログラムの受講が価値観や考え方を大きく変える経験になったとお話しくださいました。
(丸山さん)学んだことは山のようにあるのですが、いちばん大きかったのは、私の考え方や認識が大きく変わった点だと思います。もともとは「群馬の中の地方にいる自分」だった自己認識が「世界の中の日本にいる自分」に変わった気がします。普段接しない業界の方々と1年間共に学べた経験は、目先の利益というよりも、本当に自分を変えてくれたなと思います。
毎講義でのディスカッションや海外校とのジョイントセッション、海外研修(EMBA-Gコース受講者はオプション選択。2022年度は米国のシリコンバレーを訪問)等、グローバルな環境で数多くの挑戦を乗り越えてきた丸山さん。
最終講義の社長演説(各企業のリーダーになりきり、他の受講生を社員に見立てて今後のビジョンを英語で発表するプレゼンテーション)では、投票で「最もついていきたいリーダー」に選ばれました。
(丸山さん)海外の方とセッションしたり、海外視察に行ったりと、普段できない経験をする中で、少しばかりですが、世界の競争の厳しさや、そこで働いているプレイヤーのハングリーさを学ぶことができました。留学に行くとなるとハードルは上がりますが、このプログラムは日本での講義が中心ですので「自分を変えたい」と考える方の最初のステップとして、とてもいいと思います。
私のようなドメスティックな業界に身を置いており、かつ「英語も聞き取れません」という方こそ、EMBA-Gコースを選んでいただきたいなと思います。そのような環境にいる方が自分の限界を越えて価値観を変えることは難しいと思いますので、是非新しい環境に飛びこんで、チャレンジしていただきたいです。
将来に向けて様々なチャレンジができた1年間。これからも、もっともっと勉強したい。
「全体の感想としては、大満足です!」と満面の笑顔で話してくださった、張輝さん(株式会社アクシージア/EMBA-Gコース)。はじめは緊張もあり「本当に大丈夫かな」という不安もあったそうですが、将来に向けて様々なチャレンジができた本プログラムでの経験は、確かな自信に繋がったそうです。そんな張さんに本プログラムで印象に残っていることを伺ったところ、二つの講義を挙げてくださいました。
(張さん)一つ目は、ミッションの授業です。ミッションでは、先生(プログラムコーディネーター 長谷川博和教授)が紹介してくださった本を読み、その感想を、クラスでシェアすることができます。メンタルのケアになり、刺激的で、大変印象に残っています。
二つ目は、海外研修です。有名な企業を訪問し、そこで働くスタッフとディスカッションする中で、様々な面白い発見がありました。また、スタンフォード大学を訪問して実際に講義を受講したのですが、「なぜシリコンバレーにベンチャー企業が多いのか」を詳しく分析していて、刺激的でした。日本の企業では将来的にどのような変革が必要なのかを考えることができ、大変参考になりました。
実務に直結する講義だけでなく、課題図書の感想を共有し合うミッションや、海外研修等にも、楽しみながら、積極的に参加されてきた張さん。プログラムを通じての思い出をたくさん語ってくださいましたが、その中でも未来のEMBA-Gコース受講生におすすめしたいポイントを三つ教えていただきました。
(張さん)一点目は、実務的な講義が豊富なところです。実務上の課題を解決するための様々なヒントをいただきました。二点目は、日本人の先生だけでなく、海外出身の先生の講義を受講することで、国際的な視点から学ぶことができるところ。そして三点目は、自社の課題について担当の先生と一対一でディスカッションができる個別指導があるところです。先生から意見をいただくことで、より効率的に課題解決ができると思いました。これからも、もっともっと勉強していきたいですね!
次のステップに進むための、大きなターニングポイントとなった。
次世代幹部に必要な知見・知識を日本語で学び、必修の海外研修を通じて経営層としての視野を広げることを目指すEMBA-J(ジャパニーズ)コースを選択された、榎本奈津子さん(エコナビスタ株式会社)。
受講中に転職を経験された榎本さんにとって、本プログラムで学んだ一年間は「本当に大きな節目の時間」となったそうです。
(榎本さん)学びが多くて、終わってしまうと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。先生方の講義や個人指導はもちろんなのですが、皆さんと一緒に行ったシリコンバレーでの海外研修ではたくさんの刺激を受け、私の人生の中でも、本当に大きな節目の時間になりました。私はエネルギー会社に勤務し、新規事業開発を担当していたのですが、自分をステップアップさせたいと思い、この4月にスタートアップ系の企業に転職をしました。色々と考えた上での結論だったのですが、このプログラムの受講も大きなきっかけの一つになったと思います。
榎本さんは本プログラムの受講を契機に「自分はこれからどのように生きていくのか」、「仕事とは何か」ということを、自分自身と向き合い、改めて考えたといいます。
たくさん悩み、考えた末に新たな環境に飛び込むことを決意した榎本さんに、本プログラムの魅力をお聞きしました。
(榎本さん)おすすめできるポイントは二つあると思っています。一つは、限られた時間の中で自分一人が経験できることは限界があるけれど、講義を通じて仲間と議論を重ねることで、皆さんの経験値が自分の発想の厚みや転換に繋がるところです。もう一つは自分が仕事の中で得た断片的な知見がきちんと整理整頓され、体系的に理解でき、仕事に活かすことができるところが魅力的だと思います。
私自身は転職という、次に進むための大きなターニングポイントと重なりました。このプログラムは、転職に限らず、次なるチャレンジの大きなきっかけになると思います。
研修情報
2024年度のEMBA Essenceは、2024年9月下旬から開講いたします。申し込みに関する情報はウェブページにて2月頃に公開予定です。
ウェブページには研修概要の他、講義や昨年度のオープンキャンパス(オンライン説明会)のダイジェスト動画のご案内も掲載しておりますので、是非ご覧ください。
早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター(WBF)は、本プログラムを含め、年間を通じ様々なノンディグリーオープンプログラムを開催しております。
詳細はこちらをご覧ください。