「多和田葉子・高瀬アキ パフォーマンス&ワークショップ」
二言語で創作する作家多和田葉子とヨーロッパのジャズシーンを牽引する高瀬アキ。ベルリンを拠点に息の合った活動を続ける二人による本イベントは、今年で16回目となります。パフォーマンス、ワークショップ、それぞれお申込みを受け付けいたします。
本イベントコーディネーター 松永美穂教授のコメント
ベルリン在住の作家・多和田葉子と、ジャズピアニスト・高瀬アキのコンビが今年も戻ってくる!
ゲストに歌手の”赤い日ル女”を迎え、与謝野晶子の世界にインスピレーションを受けた書き下ろし・新曲のパフォーマンス「君死にたまふことなかれ」を舞台に乗せる。
生きようとする意欲、生への執着、他の権威に圧倒されない、ということを自覚的に打ち出して表現していた与謝野晶子。自らの肉体も短歌の風景に取り入れ、欲望に正直に、鮮烈なイメージを提示していった。現代にも多くの示唆を与える彼女の生き方を追いつつ、多和田と高瀬がひとつの応答として創り上げる世界に期待したい。
◆1.パフォーマンス「君死にたまふことなかれ」
今年のテーマは「君死にたまふことなかれ」。多和田葉子さんと高瀬アキさんが、詩と音楽を完全にオリジナルで創作します。これをパフォーマンスされます。おふたりのオリジナルのライブ作品をご覧になりたい方は、こちらを申請してください。
日時:2025年11月11日(火)18:00~20:00予定(途中、休憩あり)
会場:小野記念講堂(27号館地下2階)
参加方法:お二人のパフォーマンスをご覧になりたい方は「11/11参加申請フォーム」より申請してください。
*申請受付期間:2025年10月1日(水)10:00~10月30日(木)10:00まで。
*定員:150名。先着順。
◆2.ワークショップ「言葉と音楽」Vol.16
2日めは、テキスト朗読と音楽により、新しいパフォーマンスの可能性を探るワークショップを行います。
ワークショップでは、早稲田大学の学生たちがテーマにあわせて詩や作品を創作し、ステージで朗読したり、パフォーマンスして表現します。早大生の発表に対して、多和田さん、高瀬さんのお二人からアドバイスやコメントをいただきながら、言葉や音楽による表現を共に考えていきます。表現の意図、工夫やパフォーマンスがどうだったのか。みなさんはご自分なら、どう表現するでしょうか。一緒に考えてみましょう。
開催日時:2025年11月12日(水)17:00~19:00予定(途中、休憩あり)
会場:小野記念講堂(27号館地下2階)
参加方法:「11/12ワークショップ参加申請フォーム」より申請してください。
*申請受付期間:2025年10月1日(水)10:00~10月30日(木)10:00まで。
*定員:150名。先着順。
出演
多和田 葉子
早稲田大学卒業。詩人・小説家。2020年紫綬褒章、2024年日本芸術院賞・恩賜賞。日本では、芥川賞・谷崎潤一郎賞、早稲田大学坪内逍遙大賞、海外ではゲーテメダル、クライスト賞、全米図書賞をはじめとした数々の文学賞を受賞するなど、精力的に活躍している。
高瀬 アキ
ヨーロッパやアメリカをはじめとし世界各地で演奏活動している音楽家。ジャズ、即興音楽を中心としたパフォーマンスは国際的に高く評価され、現在ではコンテンポラリージャズの第一人者としてその名を広く知られている。2018年ベルリン・ジャズ賞受賞。2021年度ドイツジャズ賞(ピアノ部門)(Deutscher Jazz Preis)、2021年度アルバートーマンゲルスドルフ賞 (Albert-Mangelsdorff Preis) 。

フリーダ・カーロについて語り合う多和田葉子さんと高瀬アキさん。『シュールとリアル』より
問い合わせ
松永美穂研究室 03-5286-3637
早稲田大学文化企画課 03-5272-4783
主催
早稲田大学文化推進部文化企画課
スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系 松永美穂研究室
プレイバック!パフォーマンス
2022年、早稲田大学でのパフォーマンスの模様をお届けします。会場のモニターに投影された「フリーダ・カーロの絵画」をモチーフに、多和田葉子さんが創作された「詩の朗読」と高瀬アキさんが奏でる即興の「ピアノ」による独特のパフォーマンスを展開しました。途中、スペシャルゲストとして声楽家・中村まゆみさんがサプライズで登場し「オペラ」も加わった重層的な表現の世界に引き込まれます。3名のアーティストの思いは、時空を超えて、フリーダ・カーロの世界と見事に呼応していました。
パフォーマンスの後には、コーディネーターの松永美穂教授(文学学術院)、多和田葉子さん、高瀬アキさんがアフタートークとして、パフォーマンスの解説を行いました。会場からも質疑応答の手があがり、言葉と音楽の表現について考えを深めるとともに、コロナ禍のベルリンの様子や最近の動向なども話題にしながら、活発に交流しました。充実した2時間のイベントとなりました。
プレイバック!ワークショップ
翌日、開催されたワークショップ。発表者は、早稲田大学の学部生・院生8名。お題は、好きな絵画を一つ選び、それを大画面モニターの投影して、自ら創作した「詩」を朗読します。加えて、演奏者2名が参加し、「言葉」と「音」を合わせて、即興でパフォーマンスします。ホルン、津軽三味線、そしてピアノが、言葉を彩ります。インプロビゼーション。音の強弱。間。リズム。テンポ。言葉と音が重なって、無限の表現の広がりが感じられます。それぞれの発表に対して、多和田葉子さん、高瀬アキさんからアドバイス、コメントをいただき、言葉や音楽による表現を共に考え、その可能性や楽しさを感じました。どの発表も練りに練られた奥深い内容と表現でした。
アフタートークでは、発表者が自身のパフォーマンスの狙いや表現を振り返り、感じたことや新たに発見したことを共有しました。言葉と音楽の可能性を探る、大変有意義な時間となりました。創作者、発表者として貴重な経験になりました。
また、多和田葉子さん、高瀬アキさん、中村まゆみさんには前日に行われたパフォーマンスのうち、印象的なシーンを特別に披露いただきました。