早稲田大学では、千葉県鴨川市との地域連携事業の一環として、1998年から「おもしろ科学実験教室」を実施しています。地域の小学生を対象に、実験や工作を自ら体験することを通じて科学・技術に対する興味や関心を高める機会を提供するとともに、本学の魅力を理解してもらうことを目的としています。日頃、理工系学部の大学生に実験指導をしている技術職員などによるプログラムで、鴨川市内を中心に数多くの小学生たちが参加し、これまでも大変好評を得てきました。
会場の鴨川市文化体育館には当日、本学に加え、千葉県立長狭高等学校科学部などによる実験ブースも設けられ、約150名の子どもたちが様々な実験や工作に取り組む真夏の一大イベントとなりました。
1.おもしろ科学実験教室当日の様子
2023年度おもしろ科学実験教室は、8月24日(木)に鴨川市文化体育館で、小学生148名が参加して行われました。実験テーマは低学年向けの「闇の力で光をはなて!」と高学年向け「色が変わる?!消える?!魔法の液」の2つ。
どの子どもたちも、講師による説明を興味津々に聞き、普段の学校での授業とは異なった、実際に手を動かし・観察して考える体験に、真剣に取り組んでいました。最後に、鴨川市長と早稲田大学総長の連名による修了証とプレゼントが授与されました。
◆開講式
鴨川市の長谷川市長と本学の代表の挨拶に続き、実験スタッフの紹介、これから始まる実験教室の諸注意が行われました。小学生たちは、長谷川市長の「なぜだろう?どうしてかな?という気持ち大事にして、新学期も頑張ってほしい」というメッセージに元気よく応え、これから始まる実験を前にワクワクした様子でした。
- 長谷川鴨川市長
- 細井本学理工センター技術部長
- 上松本学文化推進部事務部長
◆闇の力で光をはなて!(対象:小学1~3年)
光センサーとLEDの仕組みを学んだ上で、周囲が暗くなると光るデスクライトを1人1つ製作しました。子どもたちのほとんどが電子回路製作は初めての様でしたが、最後には皆が複雑な回路を作り上げることが出来ました。回路製作後は、デスクライトの周りを様々なデザインの紙筒で囲み、紙筒の中には蛍光ペンで自由にお絵描きした別紙を挿入することで自分だけのデスクライトを作りました。
熱心に電子回路を作る子どもたちの様子が印象的だったのと、実験の最後に部屋を暗くして一斉にデスクライト点灯式を行ったのですが、その時の「きれい!」「すごい!」といった子どもたちの驚きの反応が嬉しかったです。
(参加してくれた小学生より)
・たのしかった。光ってきれいだった。
・知らないものがいっぱい出てきて、それが知れておもしろかった。
・自分の描いた絵が浮かび上がって楽しかった。
・楽しかったし、電気についていろいろ知れた。
・パーツがたくさんあったけど、ちゃんとできてうれしかったです。
・理科が好きになりました。
・ちょっとむずかしかったけど、おもしろかった。
◆色が変わる?!消える?!魔法の液(対象:小学4~6年生)
前半は、うがい薬にも含まれる「ヨウ素分子」と「でんぷん」が反応すると色が変わることを利用して、身近な食べ物や紙にでんぷんが含まれているか調べ、後半は『魔法の液』でうがい薬の色を消したり、消えた色をもとに戻したりする実験で、溶液の色の変化を観察しました。自分の手を動かして実験し、観察できた現象から、「何が入っているのかな?」「何色に変化するかな?」と楽しみながら考えていた様子が印象的でした。
今回の実験は、ドラッグストアやスーパーで購入できるもので簡単にできるよう構成されています。科学の楽しさを身近に感じていただけたら、嬉しく思います。
(参加してくれた小学生より)
・文字や絵がきえたり、色がかわって、おもしろかった。
・色をかえたり、けしたり、もどしたりして、こんな色もけせるのかなときょうみをもちました。
・たのしかったです。身の回りのものでできるから、家でもやってみたい。
・ふたん食べているごはんや食パンにもヨウ素液が入っていることにおどろきました。
・最高でした。たくさん学べて、実験もしたので楽しかったです。また行きたいと思います。
・デンプンの種類は学校で習っていないので、知れてよかったです。薬品を入れていろんな色に変わるのが興味深かったです。
・博士になった気分で楽しかったです。
2.アンケートに回答いただきました保護者の皆さま、ありがとうございました。
今回の実験教室当日に行いましたアンケートでは、以下のようなご感想・ご意見(一部抜粋)をいただきました。今後の実験教室をより楽しいものとしていけるよう、是非参考にさせていただきます。
・身近なものの仕組みを実験を通して分かることができた。
・家では実験も遊んで終わりになってしまうが、この実験教室ではナゼそうなるのか、きちんと子供に分かりやすく説明してくれるので、私も子供もさらに関心が深まった。
・説明やテーブルごとの指導がていねいでわかりやすかったと思う。
・実験の内容は難しいように感じたが、ライトが光ったときや消えた時の子どもの表情が楽しんでいるのだなと感じた。
・子供が1人ですべてやるには難しい部分はあったが、普段できないようなことを体験できて、親子とも楽しめた。
・「自分で作った」という成功体験ができたので良かった。
・子供が自分の手で行えることが多く、特に紙を選んだり、お絵かきもできて、1年生でも楽しんでいた。レインボーLEDに光った時はすごく嬉しそうたっだ。
・助手の方が各テーブルに1人ずつ付いてくれたので、分からないところは気軽に聞けた。