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“目立ちたがり屋”から“舞台裏の主役”へ-文化構想学部3年・木村和弘の挑戦-

“目立ちたがり屋”から“舞台裏の主役”へ
文化構想学部3年・木村和弘の挑戦(「音楽家×作家×俳優がつくるステージ『人類のレシピ』」
(2016年10月14日・15日 於:早稲田大学小野記念講堂)学生プロデューサー)

 

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―木村さんは何故、「音楽家×作家×俳優がつくるステージ『人類のレシピ』」の企画に参加しようと思われたのですか?

「木村は目立ちたがり屋だから、一度くらいは裏方やってみなよ。いい経験になるよ。」
昨年出演した「のがれの町~エピセンタ~」のプロデューサーをしていた先輩に言われたこの一言がきっかけでした。
冗談交じりではあったけれど、僕にとって、新たな考え方や、視点を持てるきっかけになるのではと思い、参加することにしました。
また、前回同様に脚本・演出をしてくださる、ナカガワマサヒロ(A.S.)さんの作品に演者としてではなく、制作側として関わりたいと思いました。
ナカガワさんは人を惹きつける独自のストーリーをつくる、類い稀な才能を持つ方と感じています。

―現在、具体的にどのようなお仕事をされていますか?

主に、スケジュール管理やミーティングの進行、主催である早稲田大学の文化企画課や平山郁夫記念ボランティアセンターとの連絡、出演者のメンタルケアなどをしています。

―そういったお仕事のする中で心がけていることは何ですか?

稽古場には常にいられるように1番最初に入って、1番最後に出ることを心がけています。
去年演者を経験した分、演者の気持ちはわかってあげられる立場にいると思うので、同じ時間を共有することが必要かなと。
1人1人の学生や演出家の方の表情や、稽古場の空気感を感じ取って、休憩をはさんだり、差し入れをしたり。
去年先輩方がしてくれてありがたいなと思ったことを自分もみんなにできたらいいなと思いながらやっています。

―活動している中で、木村さんの中での変化や気づきなどはありましたか?

ただの“目立ちたがり屋”から“舞台裏の主役”のようになってきたなと思います。
表方でも裏方でも主体的な行動が必要なことに変わりはない。
けれど、裏方にいる以上それは、目立つことではなく、自分ではない他のみんなのために、主体的に動くということ。そのことに気が付きました。
誰かに「これやって、あれやって」と頼まれることはほとんどなく、ある意味では自由な環境。それがやり易さでもあり、やりにくさでもありましたが、その中で裏方だからと言って、決して“受け身”ではいけない。
全体を滞りなく進めるために、先を読んで“主体的”に動くことができるようになったと思います。
また、学生出演者が稽古中に褒められていたときに素直に嬉しいなと思ったのです。
目立ちたがり屋の僕が、他の人が褒められることをこんなに嬉しく思えたのは初めてかもしれません。
一方で、仕事を割り振ること、任せることの難しさも感じました。
効率よく早く仕事をしようと思ったら自分一人で順序を立ててやってしまえばよい。無駄なやり取りや不安な気持ちを抱える必要がなくなるので。
けれど、スタッフの仲間がいて、みんながやる気を持って関わってくれているからこそ、みんなで仕事をやる必要がある。そこのさじ加減がとても難しかったです。
「チケットを売りましょう」とか、「稽古に来ましょう」と口うるさく言うのは、やっぱり言われる側も言う側も気持ちが良いものではないので、とても気が重かったです。けれどみんな応えてくれて本当に感謝しています。

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―では、最後に、読んでくださった方にメッセージをお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
プロと学生が共演するというのは早稲田では珍しいコラボだと思います。
学生たちがプロと関わることで見えたこと感じたこと、それを舞台上で表現しますので注目していただけたらと思います。
食べることが人を幸せな気持ちにしたり、悲しい気持ちにさせたり、感情の引き金となる。僕たちが暮らす社会はほとんどが平等で、食べることに困ることはありません。
けれど地域や時代をこえて、目を向けてみると、確かに食べることができない人たちがいる。
普段は見えない、“食べられる”と“食べられない”の間にある大きな格差や壁を、ステージを通して感じていただきたいです。
「食」を知り、「社会」を知り、「私たち自身」を見つめ直したとき、どのような感情が芽生えるのか。
「人類のレシピ」を観て受け取ったものを、是非そのままお持ち帰りください。

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プロフィール

IMG_1734木村和弘(早稲田大学文化構想学部3年・actあくと~社会とつながる演劇プロジェクト~所属・プロと学生が共演する「音楽家×作家×俳優がつくるステージ『人類のレシピ』」(10月14日・15日 於:早稲田大学小野記念講堂)学生プロデューサー)

2015年に早稲田小劇場どらま館で行われた「のがれの町~エピセンタ~」に演者として参加。その後、演じることの楽しさを知り、平山郁夫記念ボランティアセンター・石野由香里助教の担当する同センターの公認プロジェクトactで活動。

 

 

 

文責:早稲田大学商学部3年 井桁雪乃

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