よい監獄は脱獄を誘惑する。
そして、よい脱獄は看守にばれることさえないだろう。
ばれてしまっては、監獄は強化され、なにか手がかりをもとに追跡されるのがおちだ。
できればその計画は、まだ中にいる仲間たちにも伝え残そう。
脱獄計画とは、可能性をつくることである。
企画趣旨
「脱獄計画」は、そもそもいかにして演劇が行われていた/いるのかを改めて考え、これまで透明であった状況からの脱獄を準備するオンライン読書会です。「演劇」とそれにまつわる言葉を参加者の皆さんと一緒にたぐり直しています。
2020年11月はティム・インゴルド『ラインズ:線の文化史』(工藤晋訳・管啓次郎解説、左右社、2014年)を扱います。
「歩くこと、織ること、観察すること、歌うこと、物語ること、描くこと、書くこと。これらに共通しているのは何か? それはこうしたすべてが何らかのラインに沿って進行するということである。」
この文章から始まる本書は、「線 Lines」について考察した人類学の本です。楽譜、地図、織物、樹形図、ことばによる記述、ストーリーラインなどさまざまな線について考える本です。
演劇の稽古場や上演を記録し、公開するということはこれまでも、そして現在でもたくさん行なわれています。これは閉ざされがちな関係性を開くような意図があったり、もっと表面的には注目・集客のためのプロモーションであったりするのかもしれませんが、ブログやSNSなど媒体も増えたことで、この傾向は加速しているといえるでしょう。ある記録から上演を(再び)行なう、というような試みも見られます。
いままでの傾向はさておき、演劇は書かれたもの(戯曲、台本、シナリオ…/Lines)から起こし、起こったことを書く(記録する、日誌を書く、稽古場で出たアイデアを台本に取り入れる、自分の体験を物語にする…/Make Lines)という、その往還の中で生成するものだと考えたとき、その見え方が少し変わってくるかもしれません。と同時に、書かれたものを起こす、起こったことを書くなどそう簡単にできるのだろうか、あるいは簡単に「できた」と言えるのだろうかという疑問も浮かびます。
演劇にまつわる活動をされてきた方ならば、「線」を書き/起こし、起こし/書く経験に少なからず立ち会ってきたかと思いますし、これから演劇をされる方もそのような場面に出くわすことはきっとあります。いままでなんの疑いもなかった方法が機能しづらくなってしまったいま、書く/起こすことまで遡って考え直すことは無駄ではないでしょう。
【企画・進行】浜田誠太郎(どらま館スタッフ・早大院生)
企画詳細
日程(全4回)
2020年
11月6日(金)第1回*
11月11日(水)第2回
11月18日(水)第3回
11月25日(水)第4回
各回 19:00 〜22:00 予定
*都合により第一回のみ、金曜日開催となります。
会場
Zoom
参加費
無料
応募条件
早稲田大学の学部生・院生、または早稲田大学公認のサークル所属の方。
※他大学の学生の方については、人数に余裕がある場合に限り参加頂けます。
ご興味のある方は、下記お問い合わせまで別途ご連絡ください。
定員
先着順 10名程度
応募フォーム
10月5日(月)
(どらま館伝言板にて応募フォームを配信します)
応募締切
10月31日(水)23:59
応募要項(*は必須事項)
- 氏名*
- メールアドレス*
- ご所属
お問い合わせ
[email protected] (担当:浜田)