亜人間都市『東京ノート』2019.3/8-11 @早稲田小劇場どらま館
◇当企画について
私たちはいま、コロナ禍に応じた生活を送っています。いわゆる三密を避けること。ひいてはそもそもの外出を極力避けること。仮に外に出たとしても、多くの舞台作品は上演が中止となり、映画も新作の公開が先延ばしになるような状況です。私たちはささやかな楽しみをなんとか見つけながら、多くの時間を自宅で待機しています。
つい先日まで、私たちはためらいなく自由に外に羽を伸ばすことができた。今のこの生活はあくまで「仮」のものであって、「本来」の日々が待ち望まている。あるいは当分、外に出ることはできない、禁じられたものであるならば、私たちは割り切ってこの「仮」を受け入れる努力をするでしょう。しかし、そうではない。どうなるか分からないし、元に戻ってほしいと願う私たちは、現在の生活を「仮」に置いたまま待機、待機、待機しています。
この「仮」の付いた生活における身体のことを危惧します。この「新しい日常」を受け止めきれないまま、かつてそこにあった「本来」にいつでも戻れるよう身体は、「仮」のものとして何にも適応できない。この持て余された状態を危惧します。
前に進むことも後ろに下がることもできない、どっちつかずでのんべんだらりとしたこの「仮」 の時間から抜け出すために、改めて今、私たちの身体がこの限られた生活の中で何を感じているのか、問い直す必要があります。しかし自分の身体を自分一人で観察することには限界があります。ワークショップでは、他者のテキスト、身振りの引用して指示書を作っていこうと思います。 その指示書を他の参加者と交換し、自分にない視点から自分の身体を捉えます。
自分の身体について考えてみたい人、なにか表現してみたい人など、ぜひご参加いただけると幸いです。コロナ禍における「仮」という名の靄を晴らす試みです。よろしくお願いします。
黒木洋平(亜人間都市)
◇内容
現在の自分にとって重要に思われるテキストを各人用意していただきます。そこから発想される身振りと合わせて「指示書」を作り、参加者同士で指示書を交換、実践しながら自分の身体を観察します。
◇日程
8月29日(土)
9月5日(土)
9月12日(土)
全3回 各13:00-17:00
◇会場
Zoom
◇応募条件
早稲田大学の学部生・院生、または早稲田大学公認のサークル所属の方。
原則、全3回のWSに参加できること。
◇定員
8人
◇申し込み
8月7日(金)
(8月7日配信のどらま館伝言板にて応募フォームをお送りします。)
◇応募〆切
8月28日(金)
(期日より前に定員に達した場合は予告なく募集を締切ます。)
◇お問い合わせ
亜人間都市は、2015年東京にて活動中の演劇ユニットです。一人の人間の中に存在する複数の価値観の布置を「世界観」と呼び、各々で抱える葛藤と、混じり合わない世界観が混じり合わないままに共存できる空間を目指し演劇制作を行ってきました。
2017年には 『語りえぬもの』にて参加した「どま館学生演劇コンペティション(審査:宮沢章夫ほか)」 において表彰団体に選出さました。そして2019年の9月より俳優‧藏下右京が参加。互いの価値観や方法論を交換しながら制作し、鑑賞に耐える強度のある作品作りを目指します。
黒木洋平
1994年生まれ、香川県出身。大学入学 直後俳優活動と共に自主制作映 画や自身の作‧演出す演劇作品を 発表し始め、2015年演劇ユニット「亜人間都市」を立ち上げ。 2017年、クマ財団クリエイター奨学 金の第1期生に選出。藏下右京
1993年生まれ、大阪府出身。 城崎国際アートセンターでの滞在制作を経て、本格的な俳優活動を開始。2015年には藏下右京×渕上夏帆 二人芝居を立ち上げ、企画や演出も行っている。下北ウェーブ2017選出。 Twitter: @UKlack