Waseda Shogekijo Drama-kan Theater早稲田小劇場
どらま館

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【待つ企画】『書を捨てよ、どらま海にボトルメールを流そう』

企画背景「ウイルスと待つこと」

この数ヶ月ほど、「待つ」ことをした時間はなかったように思います。

ワクチンが開発される日を待ち、
友人と会える日が来るのを待ち、
劇場がふたたび開かれる日を待つ……

振り返ってみると、これまで「待つ」ことが、積極的に行なわれたことは、あまりなかったように思います。

ベンジャミン・フランクリンの「時は金なり」という言葉が表しているように、近代資本主義社会においては、何もせず待つことは、悪しき行為とされてきました。
待つことは、時間の浪費にほかならないのだ、と。
資本主義は、そのような、「待つ」を排除していった倫理から生まれたようにも思います。

しかし、そもそも「待つ」とは、何か。
待つことは、時間の浪費でしかないのか。
この数ヶ月、多くの人が「待つ」ことをし続けました。
けれども、「待つ」ことについて、力を抜いて考える時間は、実はあまりなかったように思います。

第一波が収まりかけている今、「待つ」ことの価値は考えられることのないまま、世界は止められない資本主義を再び動かそうとしていますが、ここで一度、「待つ」ということについて振り返って考えてみたい。

あわよくば、みなさんと「待つ」について考えてみたい、というのが、今回の企画意図です。

 

企画概要

「どらま海にボトルメールを流そう」

どらま館が、海になって、ボトルメールを募集します。

ボトルメールは、それが誰かに届くのかどうか、返事が来るかどうかということが決まっていないという点で、「待つ」ことがいつ終わるか分からないような、すこし不思議な「待つ」です。

どらま館に向けてお手紙を書いていただくと、
どらま館が、みなさんからのお手紙を、他の方にそのまま転送いたします。
たとえば、

Aさんが送ったお手紙はBさんに。

Bさんが送ったお手紙はCさんに、

というように。
どらま館が海の役割をして、みなさんにボトルメールをお届けします。

ボトルメールを出すことで、来るか分からない返事を、待つことができます。
内容も形式も、どんなものでも大丈夫ですが、ほかの人が傷つく内容は書かないでください。
(どらま館は海なので、みなさんのお手紙を読むことはしません。)

気ままなボトルメール、お待ちしております。
何者かからの、いつまでも来ない返事を、みんなで待ちましょう。

 

ボトルメール送り先

〒169-0071
東京都新宿区戸塚町1-101-3
早稲田小劇場どらま館 どらま海 係

※送り先を書かなくても大丈夫ですが、書かなかった場合、返事は来ません。

本企画の問い合わせ

鈴木南音(すずきみなと) /どらま館制作部

[email protected]

 

謝辞

この企画は、俳優の金澤卓哉さんからアイデアをいただきました。
どらま館の企画にすることに快く許可をしてくださった金澤さんに、改めて、心から感謝いたします。

また、ここでの「待つ」観は、鷲田清一さんの「『待つ』ということ」(角川選書)からも示唆を得ています。鷲田さんにも深く感謝いたしております。

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