2026年3月11日(水)から13日(金)にかけて、課外講義「これがサイエンスだ!」のゼミ合宿が行われました。この合宿では「授業では扱わない専門性のある内容を探究し、進学や将来について新たな視点をもつ」ことを目的とし、参加者は代数・確率・放射線の3つのパートに分かれ探究活動を行いました。
・代数パートでは、「整数の分割」に関する文献の輪読を行いました。一学年の参加者も多かったため、数学的帰納法などの未習範囲は、上級生が指導を行い、補足をしました。参加者は単元ごとに3パートに分かれ、担当箇所の定理の証明や具体的な計算例を紹介しました。
・確率パートでは、Markov連鎖を使った身近な現象の数理モデル化に取り組みました。Markov性や遷移確率行列といったMarkov連鎖の基礎を学ぶところから、生徒たち自身で題材を選んだ恋愛シミュレーションゲームのモデル化まで、生徒一丸となって教え合いながら取り組んでいる様子が印象的でした。
・放射線パートでは、matRad というソフトウェアプログラムを用いて、実際のがん治療に実際に用いられる制御される X 線・陽子線・炭素イオンを用いた粒子線ナイフの操作を体験しました。様々な部位のがんに対してどのような粒子・エネルギーが有効かをシミュレーションを通じて学びました。また、17日には成果を研究者や様々な国の学生とオンラインディスカッションしました。
また、探究活動の合間には、12 日に化学科中村教諭から「分子模型で学ぶ立体異性体」というタイトルで特別講義が行われました。 この講義では、構造異性体のうち原子の三次元的な配置が異なる立体異性体を、実際に分子模型を組んで見比べました。紙の上で理解することはなかなか難しいエナンチオマーとジアステレオマーの違いについても、生徒同士で議論しつつ楽しみながら理解を深めてもらえたと思います。
最終日の13日は成果発表会を行いました。はじめに、数学科根本教諭から「カタラン定数について」というタイトルで基調講演がありました。講演では、カタラン定数の定義を紹介して、カタラン定数の無理数性の証明に向けて講演者が最近得られた結果を紹介しました。質疑応答では教員からの質問が多く、リアルタイムで研究討論をしている様子を感じとれたのではないかと思います。
次に、それぞれのパートから、今回の合宿で得た成果発表行われました。最後に、この春に学部に進学する3年生から、テトラポット、複素積分、紙飛行機、チェレンコフ光、多様体といったテーマで執筆した卒業論文の発表がありました。生徒たちが様々な質問に懸命に答えている姿が印象的でした。尚、成果発表会には興味のある入学予定の生徒にも参加してもらいました。
参加者は理系科目の勉強のやりがいを改めて感じたり、サイエンスが知的好奇心の賜物であることを実感したりと、様々な手ごたえを掴んでいたようです。