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多和田葉子氏2020年度アカデミック・ワークショップ開催報告

2020年10月29日(木)、SGU国際日本学拠点では本学訪問教授でもある作家多和田葉子氏によるワークショップを開催しました。本学の松永美穂文学学術院教授がコーディネーターおよび当日の司会を務め、松永ゼミの大学生・大学院生を中心に合計15名の学生・院生が参加して行われました。こうした多和田氏によるワークショップは例年開催されておりますが、本年はCOVID-19の感染拡大を受け、zoom meetingを用いたオンラインでの開催となりました。

参加の学生・院生は事前に多和田さんに手紙を実際にお送りしており、ワークショップは、参加者の自己紹介の後、まず、学生・院生からの手紙を多和田さんがどのように受け止めたのか、多和田さんの感じたことを披見していただき、次に、学生・院生からの質問を募り、多和田さんがそれらに応答するかたちで進行しました。

まずはCOVID-19について。COVID-19が覆う世界-特にヨーロッパ社会・ドイツ社会・日本社会-の様々な出来事について、ご自身の生活・経験に基づいて文化的に評論していただきました。しかし、次には、現在の問題をすべてCOVID-19に結びつけて論じることの危うさも指摘され、昨今(特に21世紀に入って以降)日本社会で進んでいた様々な事象にこそ目を向ける重要性を説かれていました。

また、作家多和田葉子さんを語る上で欠かせない「旅」にも話題は及び、自身を怠惰だと評する多和田さんがなぜ旅をするのかについても参加者に伝えていただきました。外の世界へ実際に行くことで様々な経験・価値観を体感・会得できる喜び、そしてそうした経験・価値観が作家活動にも大いにつながっていることを述べられ、劇場や海外などの外の世界に実際に赴き、様々な人びとに触れることが肝要だと強く主張されておりました。さらに、様々な価値観との接触は、歴史を通じても行われるべきだと指摘され、歴史を振り返ることの重要性にもしばしば言及されておりました。同時代的なものへの幅広い眼差しと過去への深遠な眼差し、両者を上手く用いながら展開される多和田さんの作家活動に触れられた瞬間でした。

以下は、このような多和田ワールドにふれた参加者の感想です。

10月29日にSGU主催で行われた多和田葉子氏と早稲田大学の学生たちによるワークショップは、ドイツの多和田さんと日本の私たちをオンラインでつなぐ形で開催された。

私たちが送った手紙に対する多和田さんの応答を軸に進められたワークショップの中では、両国のコロナ禍における文化政策の違いやドイツでの創作活動に関する話が飛び交った。

特に、多和田さんが「手紙と小説に共通するもの」として「自分の名で書いても離れていく」感覚があると指摘したことが印象的だった。私自身、多和田さんへの手紙を書きながら、当初は多和田さんという確固たる他者に書いていたはずのテクストがだんだんと自分に向けて開かれていく感覚、書き終えた手紙が書き手の意図とは離れていく感覚を覚えたからだ。

今日、多和田さんが『献灯使』で取り上げたモチーフが社会のあらゆる場面で顕在化している。改めて多和田さんの作品を読み返す機会としていきたい。

(文化構想学部3年 米倉伸哉)

ほかにも、多和田さんは日本政府から降ってくる様々な語句(例えば東日本大震災後の「復興」など)についての違和感も表明され、それに対する参加者からの同種の反応も相俟って、さらに応答は多岐にわたり、時に笑いも交えながらワークショップは進行しました。気づくと瞬く間に予定の2時間半は経ち、ワークショップは閉会となりました。

■ワークショップ概要

日時:2020年10月29日(木) 17時30分〜20時

COVIT-19により今回はBerlinと東京を結んでonlineにて開催

■多和田さんによる当日のお話の一部はこちらからご覧ください。

(3月末までの期間限定配信を予定)

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