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言語や環境を超えて訴える-是枝裕和監督映画イベント ロサンゼルスにてUCLAと共催

Hirokazu Kore-eda Retrospective

Cinema from the Outside In

 

2017年10月25日より5日間にわたり、本学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(以下、UCLA)との共催にて、国際的に高い評価を得ている是枝裕和監督(本学理工学術院教授)を招聘し、その作品を振り返る映画イベントがロサンゼルスにて開催されました。これは、2014年9月、本学卒業生である柳井正氏(株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長)の個人寄付にもとづいて設立され、文部科学省スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点活動の一環である、「柳井正イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ・プロジェクト(以下、柳井イニシアティブ)」による研究活動の一つとして開催されたものです。

 

G・ルーカス ビル内にあるレイ・スターク劇場@USC

G・ルーカス ビル内にあるレイ・スターク・ファミリー劇場@USC

 

学生・研究者との講座

学生・研究者との講座

はじめの2日間は南カリフォルニア大学(University of Southern California 以下、USC)にて、博士課程に在籍する学生、研究者約25名と是枝監督の意見交換をする講座および、一般の観客も対象とした映画上映会とQ&Aセッションが開催されました。USCの卒業生であるジョージ・ルーカス監督の名を冠した建物が主な会場となり、講座では、映画制作を目指す参加者から、編集の仕方などの技術的な質問や、作品を通して描くモチーフやその描き方等について多くの質問が寄せられ、2時間にわたり熱心に討論がおこなわれました。上映会は、2日とも約200席の会場が満席になり、Q&Aセッションでは予定時間を大幅に超えて活発な質疑応答がおこなわれました。

 

ビリー・ワイルダー劇場@UCLA

ビリー・ワイルダー劇場@UCLA

3日目からはUCLAのハマー美術館内にあるビリー・ワイルダー劇場に会場を移し、上映会およびQ&Aセッションを開催しました。今回の是枝監督の訪米が地元のLA タイムズ紙で紹介されたこともあり、反響も大きく、会場は連日ほぼ満席となりました。中には飛行機で遠方より駆けつけた熱心なファンや、毎日劇場に足を運ぶ地元の人の姿も見受けられました。

 

 

上映会では、ほぼすべての会場で是枝監督による作品紹介と司会者、観客との質疑応答があり、監督の丁寧な解説により、その場に集まった人々は単に映画を鑑賞するだけでは知りえない制作背景や、作品の問いかけるものについて、より深く考える場を得ることができました。

ビリー・ワイルダー劇場@UCLA 

ビリー・ワイルダー劇場@UCLA Q&Aセッションでの様子

そのいくつかを紹介すると、是枝作品のモチーフには監督自身の体験によるものが多く使われていますが、それは日頃から思いついたことをメモに書き留めていく作業から作り出されているとのことです。個人の体験をモチーフにしているにもかかわらず、国際的に共感を呼び、高く評価されるのはなぜなのでしょうか?実際、ある国際映画祭でのエピソードとして、亡き母に対するレクイエムとして撮った「歩いても 歩いても(2008)」の上映後に、現地の観客から「なぜあなたは私の母を知っているのか?」と問われた経験が紹介されました。このエピソードは、是枝監督の作品には言語や環境を超え、人間として万人に共有できる普遍的なものが存在しており、それが観る側の心に訴えかけ深い印象を残すことを物語っています。

是枝裕和監督(理工学術院教授・第一文学部卒)

是枝裕和監督(理工学術院教授・第一文学部卒)

また、是枝監督が制作時に意識していることとして、「記憶」、「想像力」そして「観察力」をあげ、この3つのバランスをいかに取るかが重要であると述べました。こうして作り上げられた作品において一貫したスタンスとしてあげられたのは、「誰かを悪者として描くことをしない」こと、つまり「神の視点による審判は下さない」ことであり、観終えた後に客席に問いを投げかけることを目指しているとのことでした。

上映会で直接語られた監督の言葉から、作品について、また映画制作についてより深い解説や想いを知る機会を得たことは、イベントに参加した人々にとって、是枝作品がなぜこのように国際的に評価され、人々に愛されているのかを身近に感じ取ることのできた貴重な機会となりました。

 

 

開催したイベント

10月18日(水)午後7:00  *プレイベント

Duncan Ryuken Williams准教授 (USC) による講演会

“Dealing with Life and Death the Japanese Way”

「エンディングノート」(2011)上映時間90分 (講演会後)

会場 国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター

 

10月25日(水)午後7:00

「誰も知らない」(2004)上映時間141 分

是枝裕和監督による舞台挨拶ならびにAkira Lipitt教授(USC)とのQ&A

会場 The Ray Stark Family Theatre SCA 108

George Lucas Building, School of Cinematic Arts Complex, USC

 

10月26日(木)午後3:00-5:00

USCの博士課程学生、研究者を中心に開催した講座

会場 George Lucas Building, Room 316, School of Cinematic Arts Complex, USC

 

10月26日(木)午後9:30

「ワンダフルライフ」(1998)上映時間118分

是枝裕和監督による舞台挨拶ならびにJustin Chang氏(LA Times評論家)とのQ&A

会場 The Downtown Independent

 

10月27日(金)午後7:30

「歩いても 歩いても」(2008)上映時間115分

是枝裕和監督による舞台挨拶およびPaul Malcolm氏(UCLA フィルムプログラマー)とのQ&A

会場 The Billy Wilder Theater (Hammer Museum), UCLA

 

10月28日(土)午後7:30

「幻の光」(1995)上映時間110分

是枝裕和監督とRobert Koehler氏(映画評論家・フィルムプログラマー)とのQ&A

会場 The Billy Wilder Theater (Hammer Museum), UCLA

 

10月29日 (日)午後7:00

「空気人形」(2009)上映時間125分

会場 The Billy Wilder Theater(Hammer Museum), UCLA

 

*映画は全て英語字幕付きにて上映され、講座およびQ&Aについては通訳付きにておこなわれた

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