2023年10月8日(日)、早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)健康スポーツ科学拠点は、SGU事業の最終年度を記念し、これまでの10年間の成果を発信するシンポジウム「Play Sports, Stay Healthy, and Enjoy Aging Society – Our Global Collaborations, Achievements And Beyond」を開催しました。
本拠点の10年間のSGU事業を振り返る基調講演に加え、ラフバラ大学、ドイツ体育大学ケルン、バーミンガム大学、オレゴン大学、フロリダ大学、グリフィス大学よりお招きした6人のゲストスピーカーによる講演と、早稲田大学スポーツ科学学術院の卒業生2人、現役の大学院生1人の発表が行われました。会場には100名以上の来場があり、ZoomによるWebinar参加者と合わせて190名が参加しました。
シンポジウムでは、本学の弦間正彦理事(国際担当)より開会の辞が述べられ、松岡宏高スポーツ科学学術院長よりご挨拶がありました。
- 弦間正彦理事
- 松岡宏高スポーツ科学学術院長
午前の部では、まず副学術院長(国際担当)であり、本拠点のリーダーである正木宏明教授より、本拠点の過去10年間のSGU事業の振り返りについての報告がありました。英語による修士・博士学位プログラムの設立や海外協定大学との連携、そして招聘教員による教育活動について振り返りました。英語による学位プログラムに在学している学生のインタビュー動画も使用し、本拠点における成果を紹介しました。

正木宏明教授
続いて、SGU事業で海外よりお招きし、講義をしていただいた経緯のある2人の教授からは、ゲストスピーカーとして本学における教育と共同プロジェクトについての報告をいただきました。
デイビッド・ステンシル教授 ラフバラ大学 運動代謝学
講演『早稲田大学での教育と共同プロジェクト』
- デイビッド・ステンシル教授
まずラフバラ大学のデイビッド・ステンシル教授より、これまで本学で実施した講義について振り返っていただいた後、研究指導を担当した学生の事例が紹介されました。ステンシル教授は2022年度と2023年度、本学で「Exercise Metabolism」の科目を担当し、またラフバラ大学に留学したスポーツ科学研究科の学生を指導してくださいました。
セバスチャン・ウーリッヒ教授 ドイツ体育大学ケルン スポーツ経済学とスポーツマネジメント
講演『早稲田大学での教育と共同プロジェクト』
- セバスチャン・ウーリッヒ教授
つづいて、ドイツ体育大学ケルンのウーリッヒ教授からもご自身の教育経験を共有していただきました。ウーリッヒ教授は2018年度、2021年度に続き、2023年度もスポーツ科学学術院の訪問教員として、英語の授業を担当しています。また、ドイツ体育大学ケルンとは、2018年に箇所間協定を締結して以来、双方向に活発な学生交流を行ってきました。ウーリッヒ教授は、こうした交換留学生の指導も担当してくださいました。
本拠点の今後の海外展開に視野を置いて、午後のプログラムではスポーツ科学の各分野でご活躍の4人のゲストスピーカーをお招きし、それぞれの分野において最新の教育研究に関する講演をいただきました。
クリストファー・リング教授 バーミンガム大学 スポーツ心理学
講演『フィジカルトレーニングに認知トレーニングを加えるメリット – 脳持久力トレーニング(BET) – スポーツと運動のために』
- クリストファー・リング教授
本学はバーミンガム大学と大学間協定を締結しており、シェークスピア研究など様々な分野で長年交流を続けてきました。スポーツ科学学術院は、バーミンガム大学とスポーツ分野での新たな協力関係を築くべく、今回お話いただいたリング教授が所属しているSchool of Sport, Exercise and Rehabilitation Sciencesと今後の学術交流や連携について、協議をしています。
リング教授にはご自身の研究分野やバーミンガム大学のスポーツ科学に関する取り組みについてお話いただきました。
ベッティーナ・コーンウェル教授 オレゴン大学 マーケティング
講演『スポンサーシップにおける研究 – 連動マーケティング』
- ベッティーナ・コーンウェル教授
ベッティーナ・コーンウェル教授はオレゴン大学ワルシャワスポーツビジネスセンターの長であり、マーケティングコミュニケーションや消費者行動について研究されています。最大規模の州立大学として知られるオレゴン大学は、トップレベルの学生アスリートや研究者を積極的に輩出し、またラフバラ大学とともに"GSUN “と呼ばれるグローバル・ネットワークを立ち上げています。コーンウェル教授は、この新しい取り組みの中心人物のお一人です。
コーンウェル教授は、ご自身の研究と今後のGSUNの構想について発表してくださいました。
ジョージ・カニンガム教授 フロリダ大学 スポーツマネジメント
講演『スポーツにおける多様性、公平性、融合:世界における機会』
- ジョージ・カニンガム教授
スポーツ科学学術院は、長年フロリダ大学のCollege of Health and Human Performanceと特にスポーツ・マネジメントの分野において、交流を続けてきました。これまで多くの共同研究が行われ、多くの日本人研究者が同学部で学んでいます。また、本学はフロリダ大学と大学レベルの交流協定があり、すでに活発な学生交流が行われていますが、学部レベルでの箇所間協定の新規締結を検討しています。
カニンガム教授には、現在取り組んでいる研究や様々なプロジェクトについてお話しいただきました。
ケビン・ファイロ准教授 グリフィス大学 スポーツスポンサーシップ
講演『価値観を研究の原動力に:グリフィス・マネジメント・リサーチにおけるインパクトのあるスポーツマネジメント研究のスナップショット』
- ケビン・ファイロ准教授
グリフィス大学のグリフィス・ビジネス・スクールに所属しているファイロ准教授は2018年からSGUプロジェクトに協力してくださっており、訪問教員としても2018年度、2020年度そして2022年度に講義を担当してくださいました。本拠点は、ファイロ准教授が所属するビジネススクールと今後箇所間協定の締結を検討しています。
ファイロ准教授には、ご自身の最新の教育研究内容について紹介していただいた後、グリフィス・ビジネス・スクールの取り組みについてもお話いただきました。
午後のプログラムの最後には、スポーツ科学学術院の卒業生2名と現役の大学院生1名が登壇し、本学のSGU事業を通じた学びと活躍について、それぞれ発表がありました。
永山 千尋さん 株式会社ヘルスケアシステムズ 臨床研究部 (卒業生)
講演『スーパーグローバル大学(SGU)プログラムにおける研究』
- 永山千尋さん
塩谷 彦人 早稲田大学スポーツ科学学術院講師 (卒業生)
講演『早稲田大学大学院博士後期課程における研究』
- 塩谷彦人講師
LI Youさん 早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 大学院生
講演『体格向上から生活変革へ?- 多民族国家中国におけるスポーツ(TIYU)の発達への影響を検証する私の博士課程研究の総括』
- LI Youさん
最後に本拠点の林 直亨教授よりシンポジウム閉会の挨拶がなされた後、6人のゲストスピーカーへの記念品の贈呈と、登壇者と参加者による記念撮影が行われ、和やかな雰囲気の中で閉会しました。
- 林直亨教授
- 記念品贈呈

全体記念写真
また、本シンポジウムでは、お昼休憩の間、及びシンポジウムの後に学生によるポスターセッションを実施しました。
合計32名の学生からポスターの出展があり、分野ごとに分かれて展示を行いました。ゲストスピーカーの教員及びスポーツ科学学術院の教員による選考の結果、上位3名の学生がポスター賞を受賞しました。
- ポスターセッション
- 柴田香音さん
- 山田善貴さん
- セキノヴィターさん
◆ポスター賞ゴールドプライズ スポーツ科学部3年 柴田香音さん
◆ポスター賞シルバープライズ スポーツ科学研究科修士2年 山田善貴さん
◆ポスター賞ブロンズプライズ スポーツ科学研究科修士1年 セキノヴィターさん