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開催報告:国際ワークショップ「近現代日本を生きるテクスト遺産 モノ、営為、世界」

2023年12月3日(日)に国際ワークショップ「近現代日本を生きるテクスト遺産 モノ、営為、世界」が開催されました。これは、2020年7月にワークショップを開催し、論集『古典は遺産か? 日本文学におけるテクスト遺産の利用と再創造』(エドアルド・ジェルリーニ、河野貴美子編、勉誠出版、2021年)としてまとめられた共同研究の成果に続いて、ヴェネツィア・カフォスカリ大学エドアルド・ジェルリーニ研究員と早稲田大学文学学術院の河野貴美子により企画、構想され、実現されたもので、日本の文学、そして古典を「テクスト遺産」という視点から捉え直し、その意義や課題をさらに浮かび上がらせていこうという試みです。

ワークショップは早稲田大学総合人文科学研究センター所長の山本聡美教授の開会挨拶に続き、エドアルド・ジェルリーニ氏の主旨説明から始まりました。その中で、今回のワークショップは、「モノ」「営為」「世界」という観点からの発表からなること、それは、テクストを「モノ」として捉えてみることと同時に、それを生み出し、受け取り、継承し、伝え、あるいは改変するなど、テクストをめぐる人びとのさまざまな営みにも注目すること、さらには、日本のテクストを議論の起点としつつ、それをグローバルな視野から見つめ直すこと、こうした3つの観点から、テクスト遺産という概念をテクスト研究に持ち込むことの有効性や可能性について考えていきたいという期待が述べられました。

続いて、「モノとしてのテクスト遺産」、「営為としてのテクスト遺産」、「日本のテクスト遺産と世界」という3つのセッションにおいて、それぞれ3名ずつの発表が行われました。大学において日本古典文学研究や遺産研究を専門とする者や博物館の研究員、学芸員など、多様な立場からの発表が続き、「近現代日本に生きるテクスト遺産」をめぐりさまざまな視点を提示し合う、きわめて刺激的かつ充実した議論が展開されました。また、企画者であるエドアルド・ジェルリーニ氏、そしてイエール大学名誉教授エドワード・ケーメンズ氏も対面での参加が実現し、実際に一堂に会してのディスカッションが行えたことも、貴重な収穫となりました。

9名の発表が終了した後は、約1時間の総合討論が行われました。総合討論では、翻訳や言語の問題、詩歌テクストの問題、美術や建築と文学相互の関係、文化財と遺産の関係など、1日の発表を受けて、それらを通して立ち現れた複数の重要な論点についての議論が深められました。総じて、「テクスト遺産」という新しい概念を軸に思考し、議論を行うことによって、これまで各自が展開してきた研究が相互に関連し合い、またそこから新しい人文学研究の魅力や意義の発掘につながる可能性が感じられる、有意義な時間となりました。

なお本ワークショップは、スーパーグローバル大学創成支援事業 国際日本学拠点、早稲田大学総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所の主催、早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所の共催により、早稲田大学戸山キャンパス33号館第一会議室にて対面方式で開催されました。

(文学学術院教授 河野貴美子)

イベント概要
  • 日時:2023年12月3日(日)10:00-18:00 (JST)
  • 会場:早稲田大学 戸山キャンパス33号館3階第1会議室
  • 参加:学生、教員、一般
  • 使用言語:日本語
  • 参加費:無料 ※申し込み不要
  • 主催:スーパーグローバル大学創成支援事業 早稲田大学国際日本学拠点
    早稲田大学 総合人文科学研究センター 角田柳作記念国際日本学研究所
    共催: 早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所
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