今後、我が国がすでに突入している超高齢化社会において、経済活動の活性化を進めるために、高齢者を含めた人類の生活を支える科学技術の飛躍的延伸が求められています。この状況下で我々は、生活習慣病など疾病の危険性を日常の生活の中で早期かつ簡便に検知するための、超小型バイオセンサを開発してきました。このバイオセンシングシステムに加えて、更なる発展を目指して次世代蓄電エネルギー連携研究所を統合し、エネルギー・蓄電池診断センシングを取り込み、日常の生活の中で活用されるセンシングシステムを人間と機械の協奏化による調和を目指したものとして、総合的な診断システム開発に注力していきます。具体的には、バイオセンシングとしては、疾病予測および健康予測に係るバイオマーカーを対象に、界面設計とその最適化に取り組み、尿や唾液、汗などの扱いやすい検体での低侵襲検査のためのシステムの開発を推進します。また、我が国のエネルギー政策の基盤となる蓄電池の有効活用にむけた定置用蓄電池や電気自動車の導入に寄与する蓄電池の診断技術として、特に劣化による状況を非破壊で分別できる高信頼エネルギーシステムを開発しています。最終的にはこれらの診断法を統合的に人と機械の協奏を進めるプロジェクトとして、ライフ・イノベーションを展開していきます。
スマートエナジーシステム・イノベーションセンター(SEnS IC)は、クラス10,000のクリーンルームや給気露点温度-95℃DPを実現した複数のスーパードライルームなどの実験室で構成されており、最先端のリチウムイオン電池の電極や電池(コイン、ラミネート、シリンダーセル)の作製、および電池評価装置等を利用することができます。これら設備は、文部科学省の「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業」を中心とした蓄電池研究開発の拠点として広く学内外の研究者・技術者に開放されており、専門スタッフの下、機器利用や技術相談、技術代行、共同研究を実施することができます。特に、蓄電池の作製代行や特性評価代行などを、精力的に行っています。特に、インピーダンス法による蓄電池最先端評価を得意としています。