Voice_身近な化学への招待(導入)
科目名 | 身近な化学への招待(導入) |
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担当教員 | 大江 親臣、石原 浩二 |
履修年度・学期 | 2014年度・春学期 |
氏名・学年 ※掲載時 | 鈴木希実子・文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系 2年 |
得意な人も苦手な人も、みんな「身近な化学」が好きになる。
「化学」。早稲田大学の本キャン文キャンで生きる人間にとっては、縁がないどころか、見たくもない2文字だろうと思います。しかし、私たちを苦しめているのは、「高校の」化学です。一方、「身近な化学」は、私たちを悩ませはしません。それどころか、今まで知らなかった世界に私たちを連れて行ってくれるのです。
この科目ではほとんど毎回、自分たちの手で実験を行います。実験と言っても、堅苦しい薬品ばかり扱うわけではありません。市販のミネラルウォーターや、フルーツジュース、紙おむつまで登場します。原子量やモル質量、そんな用語はこの科目には全くといっていいほど必要ありません。難しい用語を使わなくても、身近な化学は解き明かせます。冷却剤のしくみは? カルメ焼きはなぜふくらむのか? 旅館の料理でよく出てくる固形燃料の正体は? 電池の中では何が起きている? これらの疑問は全て、化学――それも、実にシンプルな化学で答えることができます。
もちろん、化学の知識を使いたい、深めたいという人にとっても、物足りないということはありません。テキストや実験の前の解説はもちろん、実験を行わずに解説だけを行う時間もしっかり用意されています。内容は高校化学の応用ですが、高校と異なるのは、一つ一つの原理が実生活と結びついて理解できる、ということです。テスト前に必死に化学式を詰め込んだ、あの「化学」とは全く別物なのです。
私自身は、好きだった高校の化学を深めたいという思いから、この科目を履修しました。一方で、化学を好きになれないというバイト先の塾の子供たちに、なんとか化学に興味を持ってもらえないか、という考えもありました。
そして今、この科目は、私の2つの要求を見事に満たしてくれました。高校では説明されなかった部分を詳しく知ることができ、しかもそれが実生活にあふれていることを、塾の子供たちに伝えることができたのです。化学が得意な人も苦手な人も、みんな「身近な化学」が好きになる。これが、この科目最大も魅力だと思います。
化学なんて受験には役に立たないから捨てる。早稲田大学を第一志望として勉強してきた人なら、かつてはそう思っていたことでしょう。しかし化学は、私たちの生活のあちこちで役立っています。そして、そのことを教えてくれるのがこの科目なのです。