Academic Writing Program早稲田大学 アカデミック・ライティング・プログラム

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卒業指導員インタビュー

1.なぜ指導員になろうと思いましたか。

指導員をされていた大学院の先輩から声をかけていただいたことがきっかけです。私は修士課程に進学した当初から、大学教員として就職することを希望していました。将来の目標に近づくために、どのようなトレーニングを積むべきか、当時から自分なりに模索していたように思います。その折に、先輩から指導員の仕事について教えていただきました。仕事を通じて、人に教える経験を積めたり、自身の文章技能を高められたりする点に魅力を感じ、指導員になろうと思いました。

2.指導員の仕事を通して何を学びましたか。

先生方には、メールの書き方から教育者として持つべき心構えに至るまで、文章技能以外の面についても事細かにご指導いただきました。また、指導員の先輩方からは、「わかりやすく説明をするコツ」や「学生のモチベーションを高める言葉遣い」などを、指導実践を通じて学ばせていただきました。小学校と同じ年数分、指導員の仕事に携わりました。本当に学んだことだらけです。

私は塾講師や家庭教師のアルバイトをしたことがありません。また、指導員になるための授業以外は、教職関係の授業を履修したこともありませんでした。教えることについてはほとんど素人の状態で、指導員の仕事をスタートしたのです。ですから、実際に仕事が始まってみると、わかりやすく説明ができなかったり、担当した学生とのコミュニケーションで予期せぬ誤解が生じてしまったり、様々な壁にぶつかりました。そうした問題が生じた際、ご相談できる先生・先輩方がいることはとても心強かったです。「間違ってもいいから、自分なりに工夫して頑張ってみよう」と前向きになれ、説明の仕方や学生とのコミュニケーションのとりかたなどを、少しずつではありますが掴むことができました。

今の就職が決まったことをご報告した際、先生方からは「頭を低くして、学生に尽くしてください」というお言葉をいただきました。今はまだ至らぬ点ばかりですが、一日も早く教育者としての先生方のお姿に近づけるよう、精進したいと思っています。

3.指導員の経験が、社会でどのように活かされていますか。

2018年から大学教員として研究・教育に携わっています。書籍や論文、授業で用いる資料など、様々な文章の執筆に格闘する毎日です。執筆の際には、指導員時代に習得した文章技能が役立っていると感じます。「読み手の専門性を考えて語句を選べているか」「抽象度を調節しながら書けているか」など、色々な視点から自分の文章を点検できる癖がついているのです。自分一人で文章術を勉強しただけだったら、文章を書くことに対する意識はここまで高まらなかったでしょう。「受講者に少しでも質の高いフィードバックをしなければ」というポジティブなプレッシャーがあったからこそ身についたのだと思います。もし、私の書いた文章が多少なりとも読みやすくなっているとしたら、それは指導員経験のおかげにほかなりません。

また、シニア指導員時代に経験した評価ミーティングの運営は、現在の授業運営にも生かされているように思います。シニア指導員とは、週一回開かれる評価ミーティングを運営する指導員グループ長です。評価ミーティングでは、評価ポイント、配点、コメントの仕方を確認します。その際に、私は出席しているメンバーから色々な意見を引き出すことを重視していました。そのために、全体での意見共有前にペアワークを実施したり、付箋などの小道具を使って意見を「見える化」したりなど、自分なりに工夫を重ねていました。今は授業でも、グループでの話し合いに際して模造紙や付箋を使うことがあります。これらを用いることで、議論の進捗状況が可視化されます。すると、「向こうのグループに比べて進んでない」といったことも一目瞭然です。このように危機感を持って課題に取り組んだり、積極的に話し合いをしたりといった効果が生まれているように思います。

4.指導員の仕事の魅力は何だと思いますか。

色々な研究科の方々と交流できるところが最大の魅力だと思います。指導員の方々は皆個性豊かで、本当にたくさんの刺激を受けました。私の場合、指導員仲間に触発され、彼らと一緒にアカデミック・ライティングに関する論文を書いたり、学会報告にチャレンジしたりもしました。この仕事がなければ出会わなかったであろう人たちと親交を深め、形に残る仕事ができたことは、とても素敵な思い出です。彼らとは仕事ばかりでなく、プライベートでも旅行をしたり、よく遊びにも行きました。幸せなことに、そうした関係は今でも続いており、私にとっては大きな財産です。

大学院生時代は、先に就職した友人と自分を比較して落ち込んだり、研究が進まずに悶々とした時期もありました。しかし、振り返ってみると、指導員の仕事を通じて出会った先生方や先輩方、仲間たちに勇気付けられていたのだなと思います。アットホームで、切磋琢磨できる仲間のいる素晴らしい環境です。

 


武谷慧悟 Taketani, Keigo
駒澤大学経営学部 教員
2017年度 大学院商学研究科 博士後期課程満期退学

2011年春学期、修士課程1年の時に大学院授業「学術的文章の作成とその指導」を履修。2011年秋学期から指導員として5期(2011秋〜2013秋)、シニア指導員として3期(2014春〜2015春)勤務。その後、商学部助手に着任し、業務の一環として指導員を5期(2015秋〜2017秋)務めた。

*掲載情報は2018年度内の取材当時のものです。

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