ゼミ選びで悩む1年生にはゼミ選びの参考までに、受験生には大学でどのようなことが勉強できるかについて少しでも伝えられればと思い、金岡先生に学生指導およびゼミ活動に対する思いやどのような学生に来てほしいのかなどについて金岡先生に直接、インタビューを行いました。
―学生指導にはどういう思いを込めていらっしゃいますか?
学生の研究を満足行くところまでさせたい。それをフォローしていきたいと思うな。早稲田の学生はポテンシャルが高い。それなのに”今まで彼らを活かしきれていなかったのかもしれない”と、最近思うようになってね。興味のあることについては、もっと早いうちから、研究を重ねて追求していってほしい。
―ゼミの先輩方から昨年より課題が多いねと言われますが、その点はいかがでしょうか?
試しに君たちに1回目の実験レポートを出させたら、予想外にできていた。難しいかなって思っていたデータ解析や統計も、大学院生に自ら質問しに行っていたね。それで、きみたちがどこまで出来るのか見てみたいなって思ったからだよ。きっと、私が思っているよりも、もっとできるんだと思うよ。
―ゼミで勉強している内容が高度になりつつあるようですが、金岡先生はこの研究室にどのような学生を求めますか?
興味がある人に対してはサポートはするし、早稲田の学生ならついてこれないことはないと思う。ゼミに何を求めるかは人によって違うから、そういった人たちも、ゼミに参加できるような環境作りは必要だね。そして、研究に力を入れたい人が、とことん研究に専念できるような環境も作ってあげたい。長年の悩みではあるね(笑)
―実を言うと、私はパソコンが苦手で、パソコンを使う課題が難しく毎回苦戦しています。しかしデータを分析するためにはパソコンを使用する必要がありますよね。
データは見れば見るほど面白いものだよ。実験レポートに正解なんてないんだから、自分が数字やグラフを見て考えたことを書けばいい。たくさんのデータを見て、数字に慣れて、考える癖をつけてほしいね。
―最後に、どんな雰囲気のゼミを目指していらっしゃるか、お伺いしたいです。
学部生が、大学院生や3年生以上のゼミの先輩の研究に参加できるような縦の繋がりを作っていきたい。さっき言ったように、早いうちから自分の興味あることにどんどん触れていってほしいな。事前に準備し研究期間が長く取れる方が、より深いところまで掘り下げることができる。調べるほど、奥が深いから、自分の興味がある実験には、春休みのうちから先輩に混ざっていろんなところに見学に行ってほしい。スポーツという限定したもののなかで、いろんなものに触れて、いかにその幅を広げていけるか。そういうところも見ていきたいね。
授業以外でこのように先生からお話を聞かせて頂いたのが初めてでしたが、先生のゼミに対する思いを知ることができました。
また、先生とインタビューした日は卒論発表の日でしたが、ゼミの先輩たちの研究内容に圧倒されてばかりでした。”怪我のゼミ”や”腰のゼミ”と言われる金岡研究室ですが、そうはいっても多種多様な研究テーマや方向性があるなか、本当に自分の興味あることを見つけ、研究していくことは大変なことだと思います。一方で、”研究は掘り下げていくほど面白いもの”ということを、今回の研究発表と先生のお話から痛感しました。
スポーツ科学部2年 川﨑香菜子
(学年は記事作成時のものです。)
金岡先生研究室の記事「スポーツ科学を学ぶ醍醐味―頭と身体の双方で感じる―~金岡先生研究室について」はこちら
スポーツ科学部教授 金岡 恒治(かねおか こうじ)
シドニー、アテネ、北京五輪の水泳チームドクターを務め、ロンドン五輪にはJOC本部ドクターとして帯同。アスリートの腰痛予防研究に従事しており、体幹深部筋研究の第一人者。