スポーツ科学部は、早稲田大学の総合性・独創性を生かし、体系的な教育課程と、全学的な教育環境と学生生活環境のもとで、スポーツ科学に関する専門性を高めるとともに、スポーツ実践や研究活動を通じてコミュニケーション力を高め、多様な学問・文化・言語・価値観の交流を育み、地球社会に主体的に貢献できる人材を育成する。具体的には、健康増進や「生活の質」の向上を目的としたスポーツ振興やスポーツ関連ビジネスをマネジメントできる人材の育成、スポーツ教育カリキュラムの開発ならびに高度な知識と実践力を有した教員の養成といった≪社会的なニーズ≫に応えるとともに、競技力向上のための方策の開発と教育、競技スポーツや生涯スポーツのあらゆる場面におけるスポーツ外傷・障害の予防やコンディショニングの指導ができる人材の育成といった≪スポーツニーズ≫、スポーツに関わる諸科学を研鑚して、変動する時代におけるスポーツのあり方や価値を適切に提言できる研究者の育成という≪アカデミックニーズ≫に応えることができる人材を養成する。
これらの目的を具体化するために必要な能力を、「① リテラシー」「② 専門性」「③ コミュニケーション力」「④ 独創性」の 4 項目で示し、これらの能力を身につけた学生に学位を授与する。
(学習成果の明示)
上記を踏まえ、スポーツ科学部では、卒業時に身につけておくべき能力を以下のように定める。
① リテラシー
・外国語の実践的な総合力としての「言語力」を身につけている。
・情報を読み解く「データ・リテラシー」を身につけている。
② 専門性
・スポーツ科学に関する専門的知識を習得している。
・スポーツ科学分野における基礎的な原理・原則を理解し、応用することができる。
③ コミュニケーション力
・能力や素養を活かすために、他者との相互理解を実現する力を身につけている。
・一元的な思想や価値観にとらわれないグローバルな視点を持ち、多様な人々と協働して地球社会に貢献できる姿勢を身につけている。
④ 独創性
・進取の精神をもって伝統の殻を破る新しい概念を構築する力を身につけている。
スポーツに関連する幅広い教養を身につけ、学生の目的・興味に応じた適切な学習を行うことができるように教育課程を編成するという基本的な考え方に立ち、1年次には英語や情報処理を含めた基礎的な学習能力やコミュニケーション能力の養成に努めるとともに、グローバルエデュケーションセンター設置科目などの教養的な学科目を履修することを奨励し、各自の学習目標と大まかな進路について熟慮させた上で、2年次にコースを選定させる。また、専門科目の履修に関しても、多様な学科目の中から各自の学習目標を達成するために最適な履修が可能となるように、必修となるコア科目を最小限に抑制して学生の選択の自由度を高めるように配慮しながら、必修科目である2年次後半から4年次までの演習や卒業研究によって専門性を高める。
早稲田大学では、『学問の独立』の教育理念のもとで、一定の高い基礎学力を持ち、かつ知的好奇心が旺盛で、本学の理念である進取の精神に富む、勉学意欲の高い学生を、わが国をはじめ世界から多数迎え入れている。スポーツ科学部では、「一般選抜」をはじめとして「大学入学共通テスト利用入試」、「総合型選抜Ⅰ群(トップアスリート入試)」、「総合型選抜Ⅱ群(アスリート選抜入試)」、「総合型選抜Ⅲ群(スポーツ自己推薦入試)」等の多様な入試を実施している。これらの多様な入試形態を通して、スポーツマインドを持ちかつ学力に優れた受験生から高い競技力と学力を持つ受験生まで、多様な個性をもった学生を受け入れ、大学がより豊かで充実した学問の場となることを目指す。スポーツには「する」という関わり方だけではなく、「みる」、「ささえる」など様々な関わり方がある。本学部ではそのような幅広いスポーツ科学を真摯に探求し、スポーツの価値の向上やスポーツ科学の発展に大いに貢献できる人材を受け入れる。
スポーツ科学部では、ディプロマ・ポリシー 、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーに基づき、幅広いスポーツ科学を真摯に探求し、スポーツの価値の向上に貢献できる人材を養成することを目的に、学生の目的・興味に応じた適切な学修機会の提供に努めている。
その成果である学生の学修到達度を、スポーツ科学における「リテラシー」「専門性」「コミュニケーション力」「独創性」を軸として、入学前後・在学中・卒業時に、学部レベル・コースレベル・科目レベルで、評価・検証する。評価・検証の結果は、本学部の特色や現状の把握、カリキュラム改訂、学修支援の改善、外部評価対応のために利用する。
学修成果の評価項目
測定時期 | 学修成果 | 測定方法 |
1-4年次 | リテラシー
コミュニケーション力 |
直接評価:スポーツ教養演習、英語・コミュニケーション科目、基礎科目の修得単位数やGPA、休退学者率
間接評価:学生授業アンケート、学生生活・学修行動調査 |
1-4年次 | 専門性 | 直接評価:演習、スポーツ方法実習、コース指定科目の修得単位数やGPA、スポーツ活動状況(競技実績)
間接評価:学生授業アンケート |
卒業時 | 専門性
独創性 |
直接評価:卒業研究の評価、免許/資格取得者数・取得者率
間接評価:卒業生アンケート調査(大総研) |
「スポーツ」をキーワードとして社会、文化、歴史、生命、自然にかかわる広い教養を身につけ、スポーツはもとよりそれに留まらない社会の様々な領域で知識と経験を活かし、スポーツを通じて市民生活を豊かに充実したものとするための「社会的ニーズ」に的確に対応できる人材を養成する。さらに、学部教育により培った自らが考える力、指導力、コミュニケーション能力を備え、トップレベルの選手を育成できる人材が「スポーツニーズ」に応えるべく、日本ひいては世界のスポーツ界をリードしていく。
また、ビッグサイエンスに成長しつつあるスポーツ科学をより発展させ、世界最高水準のスポーツ教育研究拠点として国際的に貢献することを目指し、「アカデミックニーズ」に応えるための教育研究を展開する。
スポーツ科学に含まれる幅広い学問領域のうち、自然科学系領域を学ぶためのコースである。スポーツ医学、スポーツ生理学、スポーツ生化学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ心理学、栄養学、トレーニング科学などの基幹分野の理論的学習を礎に、それらに関連した測定法、科学的トレーニング法、適切な心身の使い方を学ぶ。また、これらの理論を踏まえた上で、スポーツ・運動時の生体応答や生体適応ならびに生体における合目的的な運動発現のメカニズムを解明するための研究技法を教授する。
このコースでは、健康スポーツ科学に関連する広範な学問領域から、心身に及ぼすスポーツや運動を含む身体活動の役割に関する基礎知識を学習した上で、規則的なスポーツ活動や身体活動による生活習慣病の予防、高齢者や疾病者における「生活の質」の向上、および心身への影響に対するメカニズムなどの理論的解明を行うとともに、スポーツや運動を通じた生涯にわたる心身の健康づくりさらには「生活の質」の向上を実現するための具体的な方法についての教育研究を行う。
このコースでは、実学としてのスポーツ科学を教授することを第一義の目的とし、スポーツ医科学に係わる基礎知識に基づいて、スポーツ外傷・障害の予防、リハビリテーション、トレーニング、およびコンディショニングなどの具体的な実践技法の学習の場を提供する。このことにより、競技者のコンディショニングおよび中高年者の健康体力づくりをサポートするアスレティックトレーナーおよびストレングス&コンディショニングスペシャリストとして必要な能力、ならびに広く社会一般にスポーツ医科学の実践技法を伝播する能力を養う。
本コースでは、スポーツを広義にとらえ、これと文化、社会、人間との関係を科学的に考えるなかで、これら関係のなかに伏在する諸問題を解決したり、新しい文化のあり方を提言したりできる人材の育成に努める。また、論理性と実証性に基づいた優れた意見を提言しうるジャーナリストの養成にも本コースは対応する。
このコースでは、スポーツに関する幅広い知識の学習とともに、社会調査やスポーツマネジメントに関わる実習によってスポーツビジネスの場で活躍できる専門的技能を習得し、その基礎の上に、マーケティング・メディア・イベント・用品・施設などスポーツ産業の諸現象について分析できる人材の育成に努める。
スポーツ科学や様々なレベルのスポーツ技能向上策および関連するコーチングの理論と方法を修得するためのカリキュラムを用意し、ジュニアからシニアまで、愛好者からアスリートまでの広範な実践レベルに対応できるスポーツ指導者・アナリストの養成と、それを自ら競技向上に応用・実践できるアスリートの育成を目的とする。
※2021年度入学者より、スポーツ教育コースの募集を停止しました。