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世界一への渇望を、スポーツ科学の学びと未来へ。U23デフサッカーW杯銀メダリスト・山田遥大さんインタビュー
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- Thu, 15 Oct 2026
2026年5月、セルビアで開催された「U23デフサッカーワールドカップ2026」で、デフサッカー男子育成選抜(U23日本代表)が準優勝し、銀メダルを獲得しました。背番号10を背負い、日本の攻撃を牽引したのが、早稲田大学スポーツ科学部2年でア式蹴球部に所属する山田遥大(やまだ・はると)さんです。全試合に出場し、初戦で6得点、大会を通じて3アシストを記録するなど、チームの準優勝に大きく貢献しました。
7月15日には東伏見キャンパスで松岡学部長(当時)を訪ね、銀メダルとともに大会結果を報告しました。世界の舞台で得た手応えと悔しさ、ア式蹴球部での鍛錬がデフサッカーにもたらす効果、スポーツ科学部での学びを生かした将来像について、山田さんに聞きました。

左:松岡前学部長、右:山田遥大さん
初戦6得点、3アシストの手応え。世界の頂点を前に残った悔しさ
——予選を1位で通過し、決勝ではトルコに1対2で惜敗しました。大会を振り返った率直な感想と、決勝直後の心境を聞かせてください。
山田:大会を振り返って最も強く残っているのは、「チャンスをものにできなかった」という悔しさです。今大会では、2トップの一角としての得点力と、シャドー(2列目)としてのチャンスメイクを求められていました。初戦で6得点、大会を通じて3アシストを記録し、チャンスメイクの面では手応えを得られたことが、自分にとっての収穫です。
その一方で、対戦相手のレベルが上がった初戦以降、得点を決めきれなかったことは大きな反省点です。チームが本当にゴールを必要とする場面で決められず、その結果が準優勝という形に表れたと受け止めています。
決勝直後は、これまで関わってくださったすべての方に「申し訳ない」という気持ちでいっぱいでした。本気のトルコ代表を相手に得点を奪えず、失点にも関与してしまいました。何もさせてもらえないまま敗れたという印象でした。
早稲田大学ア式蹴球部の高い強度が、世界と戦う土台になる
——自身のブログで、早稲田大学ア式蹴球部について「デフの代表チームよりも強度が高い」「最下層のカテゴリーでも厳しい環境」と表現していました。日々の活動で、どのような刺激を受けていますか。
山田:デフサッカーでは、世界的に見ても、ハイプレス・ハイラインの基準が大学サッカーほど高くないと感じます。大学サッカーからデフサッカーに戻ると、使えるスペースが広く、相手のプレスもそれほど強くないと感じます。
早稲田大学ア式蹴球部は、「前から積極的に守備をし、ボールを奪い切る」スタイルを掲げています。日頃の練習から激しいプレッシャーを受け、その中で「どうボールをさばき、扱うか」を常に問われます。この環境でプレーすることで、選手としての成長を実感しています。
2028年大会で「世界一」へ。障害のある選手が挑戦を続けられる環境をつくる
——今後の競技目標を聞かせてください。
山田:まずはデフサッカー日本代表(フル代表)に選出され、日本の勝利に貢献できる選手になることです。そのために、早稲田大学ア式蹴球部での日々の競争を勝ち抜き、技術、フィジカル、判断力を高めていきます。2028年のU23世界大会では、今大会の悔しさを力に変え、「世界一」をつかみ取りたいです。最終的には、世界に認められるデフサッカー選手を目指します。
——スポーツ科学部での学びを、競技力の向上や、障害のある選手が競技を続けられる環境づくりに、どのように生かしたいと考えていますか。
山田:スポーツ科学部で学ぶトレーニング科学、スポーツ心理学、身体の仕組みなどの専門知識を、まずは自分の競技力向上に生かしたいと考えています。
私自身、デフサッカーと大学サッカーの両方を経験し、「障害があっても競技を続けやすい環境」の大切さを実感しています。将来は、競技者として世界の頂点を目指すだけでなく、自分の経験とスポーツ科学の学びを生かし、障害のある選手がより高いレベルで競技を続けられる環境づくりに貢献したいです。
